ベストライセンス株式会社のホームページ

★ベストライセンスの主張及び提案★

産業財産権の権利処理システムの確立を目指して

★目次

  1. 1.ベストライセンス株式会社の目的及び手段(事業内容)
  2. 2.各知的財産権の権利処理システムの現状・実態・基本的論点
  3. 3.産業財産権の権利処理システムの現状及び問題点
  4. 4.産業財産権の権利処理システムに関する制度設計方針の在り方
  5. 5.世界のなかの日本における大特許庁構想及び業界改革
  6. 6.JPOとJAPIO間のパトリス民営化に関する契約の存在・内容を立証する証拠資料
  7. 7.パトリス(PATOLIS)が国有財産であることを立証する証拠資料
  8. 8.特許庁保有データに関する使用・販売・著作権に関する使用許可要領等の改正史
  9. 9.株式会社パトリスの登記簿上のデータについて
  10. 10.私見
  11. 11.商標出願PPAPの権利化進捗状況
  12. 12.日本商標法における先願主義等の登録要件
  13. 13.平成29年(2017年)1月末頃のいわゆる商標PPAPバッシングについて
  14. 14.添付資料(証拠資料及び関連資料)

本件論文の全文のPDFファイルは「全文PDFファイル」をクリックして下さい。

★内容

  1. 1.ベストライセンス株式会社の目的及び手段(事業内容)
  2.  

     ベストライセンス株式会社(以下、「当社」ともいいます。)は、代表の上田育弘(以下、「小生」ともいいます。)が平成26年11月に次の目的及び手段(事業内容)を主眼として設立しました。

    1. (1)公的な目的
    2.  産業財産権の権利処理システムを確立する。「産業財産権の権利処理システム」とは、産業財産権(特許権・実用新案権・意匠権・商標権等)に関する譲渡及び実施・使用確保のためのライセンス契約締結メカニズムをいう。

    3. (2)私的な目的
    4.  産業財産権の権利処理システム構築に必要な技術を研究・開発するとともに、産業財産権に関する権利処理ビジネスを通して利益を追求する。

    5. (3)上記目的(1)(2)を達成するための手段(事業内容)
    6.  
         
      1. ①産業財産権の権利処理システム構築に必要な技術の研究・開発業務
      2.  
      3. ②上記研究・開発技術等に関する産業財産権の出願及び権利化業務
      4.  
      5. ③出願段階及び権利化後の上記産業財産権のライセンス契約締結業務(ライセンス・無効化・実施技術や使用商標の変更等
      6.  
      7. ④上記①乃至③の業務を通して本来あるべき産業財産権制度の理想像を一般社会に提示していく。
      8.  
      9. ⑤上記①乃至④の業務に加え、本来あるべき著作権制度の理想像を一般社会に提示していく。
      10.  
      11. ⑥上記①乃至⑤の業務を通して、一国における大企業と中小企業・個人間の格差(国内デバイド)や国際社会における先進国と発展途上国間の格差(国際デバイド)等の格差(デバイド)を是正するための活動をすることにより、一般社会に貢献する。
      12.  
  3. 2.各知的財産権の権利処理システムの現状・実態・基本的論点
  4.  知的財産権は、大きく著作権と産業財産権の二分野からなるが、現在、これらの二分野における権利処理システムは、次のように明確に異なっている。

    1. (1)著作権(文芸・学術・美術・音楽)の権利処理システム
    2.  著作権等管理事業法による権利処理システムが採用されている。「著作権等管理事業法による権利処理システム」とは、権利者たる委託者が受託者たる著作権等管理事業者に著作物、実演、レコード、放送又は有線放送(「著作物等」)の利用の許諾を委託し、権利者に代わって著作物等の利用者から利用料を徴収するシステムをいう。著作権等管理事業者は、文化庁に登録することを要する。

    3. (2)産業財産権(商標・意匠・実用新案・特許)の権利処理システム
    4.  発明等の実施を確保するための通常実施権裁定制度や商標の使用を義務づける不使用に基づく取消審判制度が存在しているが、実態上産業財産権(特許権・実用新案権・意匠権・商標権等)に関する譲渡及び実施・使用確保のためのライセンス契約締結メカニズムとして機能しているシステムは存在せず、私的自治の原則及び契約自由の原則に委ねられている。

    5. (3)基本的論点
      1. ①産業財産権の権利処理システムとして、上記(2)に記載の如く、現状の私的自治の原則及び契約自由の原則に委ねたままでいいだろうか?上記(1)に記載の著作権の権利処理システムと同様に考えて、産業財産権管理事業法なる法律を制定して、特許庁の登録を受けた産業財産権管理事業者が権利者に代わって産業財産権の利用者から利用料を徴収するシステムを採用すべきか?
        ②著作権と異なり、産業財産権情報に関し、産業財産権の管轄する行政機関(日本の場合、経済産業省特許庁)が総ての産業財産権(権利者及び権利内容)の情報を漏れなく集中管理している現状を有効活用した権利処理システムを構築できないだろうか?詳細は、次の3.産業財産権の権利処理システムの現状及び問題点をご参照下さい。
  5. 3.産業財産権の権利処理システムの現状及び問題点
    1. (1)特許法・実用新案法⇒不実施に係る裁定による通常実施権設定制度⇒しかし実績無し。∴無用の長物
    2. (2)意匠法⇒利用意匠等に係る裁定による通常実施権制度のみで、不実施に係る裁定による通常実施権設定制度無し。
    3. (3)商標法⇒不使用に基づく取消審判制度⇒しかし、不使用による商標権の消滅を規定するのみで、使用確保のためのライセンス契約締結メカニズムとしては今ひとつ不十分である。
    4. (4)産業財産権侵害に対する救済措置として民事上の救済(差止請求権・損害賠償請求権・不当利得返還請求権・信用回復措置請求権)・刑事上の救済(侵害罪・法人に対する両罰規定)が規定されているが、産業財産権の所有者と侵害者との間のライセンス契約締結メカニズムとしては今ひとつ不十分。通常、当事者間のライセンス契約締結が産業財産権の所有者と侵害者の最終的目的であるのに対し、上記民事上の救済(差止請求権・損害賠償請求権・不当利得返還請求権・信用回復措置請求権)・刑事上の救済(侵害罪・法人に対する両罰規定)は上記最終的目的を達成するための手段の関係にある。しかし、これらの手段を行使するのみで行使後の当事者間のライセンス契約締結につながりにくく、この最終目的たるライセンス契約締結とこれらの目的達成手段との間の関係が実態上、有機的に機能していない。
    5. (5)上記(1)乃至(4)により、特許権・実用新案権・意匠権・商標権が付与されても、不実施発明・不実施考案・不実施意匠・不使用商標の増大が大きく認められ、空権化した特許権・実用新案権・意匠権・商標権が相当数存在している。
    6. (6)上記(5)に拘わらず、産業財産権の所有者は、設定登録費用を払った上、毎年、年金を支払う必要がある。⇒しかし、産業財産権を保有しているだけでは、ほとんど意味がない。もちろん、多くの産業財産権を保有していると、権利行使されると権利行使でやり返すという形の相手方からの産業財産権行使を躊躇させるという所定の抑止力は認められる。
    7. (7)産業財産権業界における各プレーヤーの目的・手段間の不整合性の存在
      1. ①産業財産権の管轄官庁たる経済産業省特許庁の目的(産業発達に寄与)VS手段((i)出願受付、(ii)審査、(iii)審判、(iv)登録、(v)公報発行)
      2.  特許庁における産業財産権行政の目的は、産業発達に寄与することにあるが、この目的達成手段である((i)出願受付、(ii)審査、(iii)審判、(iv)登録、(v)公報発行)の5つの業務が有機的に機能してこの産業発達に寄与するという目的を達成しているといえるか?出願受付担当者は出願を受け付けているだけではないか、審査官は審査をして査定をしているだけではないか、審判官は審判をして審決・決定をしているだけではないか、登録担当者は登録をしているだけではないか、公報発行担当者は公報を発行しているだけではないか、手段の目的化が生じており、有効なライセンス契約締結システムが存在しないために発明・考案・意匠の実施や商標の使用が確保されず、これらの手段たる各業務が有機的に機能して産業発達に寄与するという目的に結びついていないのではないか?

      3. ②出願人・権利者たる企業等の目的(攻めと守りの知財経営)VS手段((i)自社技術の出願及び権利化、(ii)他社技術の無効化、(iii)ライセンス契約)
      4.  出願人・権利者たる企業等の目的は知的財産を経営の中核に置いた「攻めと守りの知財経営」にあるが、この目的達成手段である((i)自社技術の出願及び権利化、(ii)他社技術の無効化、(iii)ライセンス契約)の3つの業務が有機的に機能してこの知的財産を経営の中核に置いた「攻めと守りの知財経営」の目的を達成しているといえるか?産業財産権に関する出願をして権利化しているだけではないか、権利化して産業財産権を保有して毎年年金を払い続けているだけではないか、保有している産業財産権についてライセンス契約を締結して発明・考案・意匠の実施や商標の使用が確保できているか、ライセンス契約の締結当事者は少数の大企業同士だけではないのか、有効なライセンス契約締結システムが存在しないためにライセンス契約の締結先が世界中の大企業や中小企業・個人に広がらず、産業財産権を保有しているだけで「攻めと守りの知財経営」の目的を達成しているといえないのではないか?

  6. 4.産業財産権の権利処理システムに関する制度設計方針の在り方
    1. (1)産業財産権の譲渡及び実施・使用確保のためのライセンス契約締結手法及び問題点(私的自治の原則及び契約自由の原則の下、次の5段階➀②③④⑤がある。)
      1. ①実施・使用を望む者(ライセンシー)からの産業財産権の所有者(ライセンサー)に対する契約の申込⇒しかし、ライセンシーがライセンサーの住所・氏名等を調べ、申込書を作成・郵送するのに手間とコストがかかる。
      2. ②当事者(ライセンシー・ライセンサー)間の契約締結交渉による契約内容の決定⇒しかし、当事者間の力関係等により、使用料・実施料の額や支払方法・支払時期等の詳細な条件を決めるのに手間とコストがかかる。
      3. ③当事者(ライセンシー・ライセンサー)間の譲渡及び実施・使用確保のための契約締結⇒しかし、契約締結のために各当事者間で日時及び場所を決めてその場で契約を締結するか、又は、郵送やファックスやメールを介して契約を締結することになるが、当事者間の直接のやりとりのための手間とコストがかかる。
      4. ④特許庁に対する譲渡・専用実施権・専用使用権等の登録⇒しかし、特許庁への譲渡等の登録を忘れてしまうこともあり、必ずしも特許庁への登録が一般化しているともいえない。
      5. ⑤上記契約の履行の確保⇒しかし、実施料や使用料の不払いにより契約の不履行が認められる場合、不履行に伴う契約解除の手続きが必ずしも明確でなく契約の履行確保が図られているといえない状況が認められる。
    2. (2)産業財産権の特徴(著作権と比較して)
    3.  
        ①原則として、産業財産権の管轄する行政機関(日本の場合、経済産業省特許庁)が総ての産業財産権(権利者及び権利内容)の情報を漏れなく集中管理する。
       
        ②パリ条約等による実施権・使用権の設定・許諾・譲渡の条件に関する規定の順守の必要性
       
         
      • ・パリ条約2条・3条(内国民待遇の原則)
      •  
      • ・パリ条約4条の2(特許独立の原則)
      •  
      • ・パリ条約6条(3)(商標独立の原則)
      •  
      • ・パリ条約第5条(不実施・不使用に対する措置、特許・登録の表示)
      •  
      • ・パリ条約第6条の4(商標の譲渡)
      •  
      • ・TRIPs協定3条(内国民待遇の原則)
      •  
      • ・TRIPs協定4条(最恵国待遇の原則)
      •  
      • ・TRIPs協定第21条(使用許諾及び譲渡)
      •  
      • ・TRIPs協定第30条(与えられる権利の例外)
      •  
      • ・TRIPs協定第31条・第31条の2(特許権者の許諾を得ていない他の使用)
      •  
      • ・商標法条約第11条(権利の移転)
      •  
      • ・マドプロ第9条(国際登録の名義人の変更の登録)
      •  
      • ・ジュネーブ改正協定第16条(国際登録に関する変更その他の事項の記録)
      •  
      • ・商標法に関するシンガポール条約第11条(権利の移転)
      •  
      • ・商標法に関するシンガポール条約第17条(使用権の記録の申請)
      •  
      • ・商標法に関するシンガポール条約第18条(使用権の記録の修正又は取消しの申請)
      •  
      • ・商標法に関するシンガポール条約第19条(使用権が記録されていないことの影響)
      •  
      • ・商標法に関するシンガポール条約第20条(使用権の表示)
      • (3)産業財産権の権利処理システムに関する制度設計方針
      •  上記ライセンス契約締結手法の各5段階において産業財産権を管轄する行政機関たる特許庁が強力に介入することにより、当事者間のライセンス契約締結の促進を図る。具体的には、既存の裁定に基づく通常実施権(強制実施権)設定制度(特83条、92条、93条等)をそのまま存置しつつ、新しく裁定に基づく任意(強制でない)の専用実施権・通常実施権・専用使用権・通常使用権・権利譲渡等の設定制度を新設することにより、私的自治の原則及び契約自由の原則を補完しつつ、裁定制度を拡充する。

        1. A.請求要件
          1. ①請求人適格
          2. 「何人も」に拡大し、利害関係の有無を問わないこととする。

          3. ②請求対象
          4. 「産業財産権(特許権・実用新案権・意匠権・商標権)」に加え、「出願段階にある、特許を受ける権利・実用新案登録を受ける権利・意匠登録を受ける権利・商標登録出願により生じた権利」に拡大する。

          5. ③請求理由
          6. 「不実施」「利用等」「公益」に限らず請求可能とし、理由如何を問わないことにする。

          7. ④請求時期
          8. 原則として出願後、権利消滅まで可能とするが、権利消滅後も権利存続時の権利侵害が問題となりライセンス契約締結が必要となる場合は可能とする。

          9. ⑤請求手続
          10. 当事者間のいわゆる協議前置・協議不能を要せず、いきなり裁定請求できるようにする。

        2. B.審理手続
          1. ①主体
          2.  特許庁長官が任命する3人の審判官の合議体とする。∵特許庁が総ての産業財産権(権利者及び権利内容)の情報を漏れなく集中管理する点で「特許庁長官」を裁定請求書の提出先とすることが好ましい。ライセンス契約手続には対象たる産業財産権の内容理解を要する点及びイ号の産業財産権の効力範囲の属否が問題となりやすいことから現行判定制度の手続主体たる「3人の審判官の合議体」を新たな裁定請求の審理の手続主体とすることが好ましい。

          3. ②手続
            • (ⅰ)裁定請求人(原則としてライセンシー)からの裁定請求書の提出
            • (ⅱ)ライセンサー(原則として権利者又は出願人)からの答弁書の提出
            • (ⅲ)裁定の制限(特85条2項、92条5,6項)は設けない。
            • (ⅳ)工業所有権審議会の意見聴取(特85条1項)は不要とする。
            • (ⅴ)設定できる権利等――専用実施権・通常実施権・仮専用実施権・仮通常実施権・専用使用権・通常使用権等・譲渡(一部・全部)・仮専用使用権・仮通常使用権
            • (ⅵ)裁定謄本の送達(特87条)――特許法第87条第2項中の「裁定で定めるところにより、当事者間に協議が成立したものとみなす」旨の擬制規定を「裁定で定めるところにより、当事者間に協議が成立したものと推定する」旨の推定規定に改正した規定を新設等することにより、強制ではなくあくまでも任意の実施権等の設定であることを明確にしつつ、パリ条約第5条等を遵守する。
            • (ⅶ)裁定取消制度の創設――上記裁定により成立したライセンス契約の履行を確保するために、契約不履行が発生した場合は、契約当事者からの裁定取消請求を認め、上記裁定制度と同様の手続で審理する。
      • (4)その他の制度改正方針
      •  
           
        • ①確認審判制度の創設に関する改正
        •    

           現行の判定制度を旧法類似の新たな確認審判制度に改正する。∵平成11年改正により、判定制度が強化されたが、イ号物件が産業財産権の効力範囲に属する否かの判断は侵害事件等で論点となりやすく、属否の結論の重要性は高まっているので、無効審判や拒絶査定に対する不服審判等他の審判制度と同列に置き、単なる行政サービスにすぎない現行判定制度から脱却すべきである。

           
        • ②確認審判制度と権利処理システムとの有機的連携システムの構築
        •  

           上記①の確認審判制度と上記(3)の権利処理システムとの有機的な連携システムを構築する。例えば、確認審判における請求人の実施品・使用品等のイ号物件が被請求人の産業財産権の効力範囲に属する旨の確認審決がなされた後、前記請求人をランセンシーとし前記被請求人たる権利者をランセンサーとするライセンス契約締結手続(新たな裁定審理手続)に移行する。逆に、上記(3)の権利処理システムの新たな裁定請求制度に関し、裁定請求人と裁定被請求人との間のライセンス契約締結手続(新たな裁定審理手続)において裁定請求人の対象製品が裁定被請求人の産業財産権の効力範囲に属するか否かの疑義が生じた場合、上記①の確認審判制度に移行する。

           
        • ③審査・審判制度と権利処理システムとの有機的連携システムの構築
        •  

           現行の審査・審判制度と上記(3)の権利処理システムとの有機的な連携システムを構築する。例えば、審査官による出願の審査中に,上記(3)の権利処理システムの新たな裁定請求制度に関し裁定請求人から当該出願の出願人を被請求人とする裁定請求があった場合、当該担当審査官を特任の審判官としその他2名の審判官で裁定の請求審理のための合議体を構成し、当該審査官兼特任審判官を主任とするライセンス契約締結手続(新たな裁定審理手続)に移行する。逆に、上記(3)の権利処理システムの新たな裁定請求制度に関し、裁定請求人と裁定被請求人との間の出願段階のライセンス契約締結手続(新たな裁定審理手続)中に当該出願の審査をする場合、新たな裁定審理手続における3人の審判官の合議体のうちの主任の審判官を特任の審査官として当該出願を審査するようにする。上記(3)の権利処理システムの新たな裁定請求制度に関し、裁定請求人と裁定被請求人との間の設定登録後の産業財産権のライセンス契約締結手続(新たな裁定審理手続)中に当該産業財産権の無効審判請求の審理をする場合、新たな裁定審理手続をしている3人の審判官の合議体をそのまま無効審判の審理のための3人の審判官の合議体とする又は新たな裁定審理手続をしている3人の審判官を含む5人の審判官の合議体を構成し無効審判の審理を進める。

           
        • ④審査・審判制度と確認審判制度と権利処理システムとの有機的な連携システムの構築
        •  

           現行の審査・審判制度と上記①の確認審判制度と上記(3)の権利処理システムとの有機的な連携システムを構築する。上記②③の連携システム等、様々な連携システムが考えられるので、現状のニーズに対応できる柔軟性のある有機的な連携システムを構築する。

           
        • ⑤産業財産権の設定登録料及び年金の無料化に関する改正
        •  

           産業財産権の設定登録料及び年金を無料にする。∵産業財産権を有しているだけでは権利者にとってほとんど意味がない以上、そこに担税力を見出すべきではない。これにより、出願人・権利者は、無料化された設定登録料及び年金の金額を出願料金や出願審査請求料金や異議申立手数料や無効審判請求手数料に回すことが可能になり、企業の知財活動の活性化・活発化につながる。

           
        • ⑥産業財産権法四法における仮実施権及び仮使用権の創設に関する改正
        •  

           現在、特許法に仮専用実施権制度及び仮通常実施権制度、実用新案法に仮通常実施権制度及び意匠法に仮通常実施権制度が設けられているが、実用新案法及び意匠法にも各々仮専用実施権制度を設ける。商標法にも特許法と同様に、仮専用使用権制度及び仮通常使用権制度を設ける。

           
        • ⑦通常実施権登録制度の復活・創設に関する改正
        •  

           当然対抗制度を維持したうえで、通常実施権の登録制度を復活・創設する。∵たとえ当然対抗制度を設けても、登録による権利の明確化の要請を過小評価すべきではない。

           
        • ⑧異議申立手数料の無料化に関する改正
        •  

           商標登録異議申立手数料及び特許異議申立手数料を無料にする。∵異議申立の目的はあくまでも商標登録や特許処分という行政処分に対する信頼性を高めるという公益的な目的を達成する点にある以上、出願人による審査手数料の支払に加え、第三者から異議申立手数料の支払いを求めるべきではない。

           
        • ⑨維持決定に対する不服申立手段の創設に関する改正
        •  

           「前項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。」旨規定する特許法第114条第5項及び商標法第43条の3第5項を削除することにより、異議申立制度における維持決定に対して審決取消訴訟の提起ができるようにする。∵維持決定に対して不服申立を認めないことは、「行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。」旨規定する憲法第76条第2項後段及び「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。」旨規定する憲法第81条に反し、違憲無効である。

           
        • ⑩実用新案登録異議申立制度の創設に関する改正
        •  

           実用新案登録異議申立制度を創設する。∵たとえ無審査で実用新案権を発生させても、実用新案登録という行政処分に対する信頼性をより高めるという公益的な目的を達成する必要性は存在している。

           
        • ⑪意匠登録異議申立制度の創設に関する改正
        •  

           意匠登録異議申立制度を創設する。∵意匠登録という行政処分に対する信頼性を高めるという公益的な目的を達成する必要性が存在している。

           
        • ⑫閲覧手数料の無料化に関する改正
        •  

           閲覧手数料を無料にする。∵権利の有効性や権利範囲の確定には、審査・審判手続における書面の迅速な閲覧が必須であるので閲覧請求は極めて公益性が大きいといえ、無料で閲覧を求める要請は極めて大きい。

           
    4. 5.世界のなかの日本における大特許庁構想及び業界改革
    5.  

      日本における特許庁の組織・人事・業務並びに知的財産業界等を次のように改革すべきである。

      • (1)組織改革
      •  

         日本特許庁における組織を次のように改革する。

         
           
        1. ①商標意匠部創設に関する改革
        2.  

           審査業務部から商標課を、審査第一部から意匠課を各々独立させ、商標課及び意匠課を統括する商標意匠部を創設する。

           
        3. ②審査業務部廃止に関する改革
        4.  

           審査業務部を総務部に吸収することにより、審査業務部を廃止する。

           
        5. ③審判部の名称に関する改革
        6.  

           審判部を審判・権利処理部又は審判ライセンス部に改称する。

           
        7. ④特許庁(JPO)の名称に関する改革
        8.  

           特許庁(JPO)を特許商標庁(JPTO)に改称する。

           
      • (2)人事改革
      •  審査官の数を現行の約1,500人体制から約12,500人体制に大幅増員するとともに、技術・意匠・商標の同等化を図りつつ、長官人事を次のように改革する。

        1. ①技術(特許・実用新案)の審査官の増員に関する改革
        2.  

           技術(特許・実用新案)の審査官の数を現行の約1,300人から約10,000人に大幅増員する。この増員の一環としてIPCC(財団法人:工業所有権協力センター)を特許庁に編入するとともに、いわゆるサーチャーを審査官・審査官補へ転換していく。

        3. ②意匠の審査官の増員に関する改革
        4.  意匠の審査官の数を現行の約80人から約1,000人に大幅増員する。

        5. ③商標の審査官の増員に関する改革
        6.  商標の審査官の数を現行の約120人から約1,500人に大幅増員する。

        7. ④各部当たりの審査官の増員に関する改革
        8.  上記改革①乃至③に伴い、審査第1部乃至第4部、商標意匠部の各部当たり、各2,500人の審査官体制へ移行する。

        9. ⑤技術・意匠・商標の各審査官の給与水準の同等化に関する改革
        10.  上記①乃至④の人事改革のなかで、技術・意匠・商標の各審査官の給与水準を同等にする。∵アベノミクスにおける同一労働同一賃金の旗印の下、同じ特許庁内の審査である以上、技術・意匠・商標の各審査官の給与水準は同等であるべきである。尚、この点は、各審判官においても同様である。

        11. ⑥JPOにおける技術・意匠・商標の同等化に関する改革
        12.  上記組織改革(1)及び上記①乃至⑤の人事改革を進めるなかで、日本特許庁内における技術・意匠重視VS商標軽視の姿勢・施策を改め、技術・意匠・商標の同等化を図っていく。

        13. ⑦意匠と商標の審査官の共通化に関する改革
        14.  上記⑥の人事改革を進めるなかで、意匠審査官と商標審査官の共通化を実現していく。∵平成8年商標法改正による立体商標制度導入及び平成10年意匠法改正による部分意匠制度導入に伴い、ビジネス戦略上も出願戦略上もともに意匠の商標化や商標の意匠化の現象が強く認められるので特許庁内の審査においてもこの現象を強く反映させるべきである。尚、この点は、審判官においても同様である。

        15. ⑧特許庁長官人事に関する改革
        16.  特許庁長官を首相任命制にするとともに国会同意人事とする。∵民主主義に基づく行政の下、日本・海外における知財実務に詳しく民間の実情を行政に反映できる人物の強力なリーダーシップが必要。

      • (3)業務改革(FAの高度化)
      • いわゆるFAに関する業務を次のように改革する。

        1. ①FA(First Action)1・1・1計画に関する改革
        2.  特許の審査のFAに要する期間を現行の11月から1月へ短縮する。意匠の審査のFAに要する期間を現行の約6月から1日へ短縮する。商標の審査のFAに要する期間を現行の約6月から1週(7日)へ短縮する。

        3. ②査定審決日と登録日の同日化に関する改革
        4.  査定審決日と登録日とを同日に行うようにする。∵上記4(4)③の産業財産権の設定登録料及び年金の無料化により、査定審決後に料金納付を待つ必要がなくなると可能になる。

        5. ③登録日と公報発行日の同日化又は短縮化に関する改革
        6.  登録日と公報発行日の同日化又は短縮化を図る。

        7. ④First Action Final Actionとの間の期間の短縮化に関する改革
        8.  FA(First Action)に対する応答書類受領日とFinal Actionとの間の期間の法定化する(例えば、拒絶理由通知に対する意見書又は手続補正書受領後1週間以内に査定処分を行わなければならない。)。

      • (4)国内情報改革
        1. ①PAPCの特許庁編入に関する改革
        2.  

           財団法人工業所有権電子情報化センター(PAPC)を特許庁に編入することにより、特許庁の出願受付部門を拡充する。

        3. ②JAPIOの特許庁編入に関する改革
        4.  財団法人日本特許情報機構(JAPIO)を特許庁に編入することにより、特許庁の審査部門及び公報発行部門を拡充する。

        5. ③INPITの特許庁編入に関する改革
        6.  独立行政法人工業所有権情報研修館(INPIT)を特許庁に編入することにより、特許庁の公報発行部門を拡充する。

        7. ④「パトリス(PATOLIS)の民営化」の見直しに関する改革
        8.  2001年(平成13年)4月の「財団法人日本特許情報機構(JAPIOの一部民営化)」即ち「パトリス(PATOLIS)の民営化」を見直す。具体的には、特許庁がパトリス(PATOLIS)を買い戻すことにより、日本の特許電子図書館(IPDL・JPLATPAT)にパトリス(PATOLIS)を加え、特許電子図書館(IPDL・JPLATPAT)を拡充する。

      • (5)上記(4)④の「財団法人日本特許情報機構(JAPIOの一部民営化)」(パトリス(PATOLIS)の民営化)の見直しの必要性について
        1. ①公式の発表内容
        2.  平成12年11月30日に開催された財団法人日本特許情報機構(JAPIO)の評議員会及び理事会においてパトリス(PATOLIS)の民間企業への譲渡を決議した。即ち、パトリス(PATOLIS)の所有権を財団法人日本特許情報機構(JAPIO)から民間企業へ移転することを決議した。

        3. ②真相
        4.  小生の特許庁長官への情報公開請求による開示資料等により、次の事実が判明している。

          1. (ⅰ)平成9年頃に当時の荒井特許庁長官(以下、「甲」ともいう。)と和田JAPIO理事長(以下、「乙」ともいう。)間において、パトリス(PATOLIS)を財団法人日本特許情報機構(JAPIO)から民間会社:株式会社パトリスに譲渡する又はパトリス(PATOLIS)を国から財団法人日本特許情報機構(JAPIO)に譲渡する等のパトリス(PATOLIS)の譲渡に関する契約を締結し、この契約によりパトリス(PATOLIS)の民営化が行われた。尚、乙は、元特許庁総務部長であり、甲と乙とは、通産省入省の事務官キャリアの後輩・先輩の関係にある。即ち、この甲乙間の契約当時、後輩の荒井特許庁長官が先輩の和田JAPIO理事長にパトリス(PATOLIS)を差し出したのである。つまり、事務官キャリア等の天下り先を確保するために、パトリス(PATOLIS)が売り飛ばされてしまったのである。
          2. (ⅱ)パトリス(PATOLIS)は、国策として開発されたもので、パトリス(PATOLIS)の所有権は国にあり、パトリス(PATOLIS)は、国有財産である。
          3. (ⅲ)上記(ⅱ)にも拘わらず、和田JAPIO理事長は、パトリス(PATOLIS)の所有権は財団法人日本特許情報機構(JAPIO)にあると詐称し、複数の大企業(以下、まとめて「丙」と、各企業を「丙1」「丙2」・・・ともいう。)から株式会社パトリス設立及びパトリス(PATOLIS)譲受のための出資金を集め、パトリス(PATOLIS)の占有を財団法人日本特許情報機構(JAPIO)から株式会社パトリス(初代社長は乙。)に移した。
        5. ③問題点
        6.  
             
          1. (ⅰ)甲乙間の契約により、乙が自己の占有する国有財産たるパトリス(PATOLIS)を株式会社パトリスに移したことになり、国有財産の無断譲渡に該当し、乙には業務上横領罪が成立する。乙は、パトリス(PATOLIS)の所有権は財団法人日本特許情報機構(JAPIO)にあると詐称し、丙(丙1、丙2等)から出資金を集めているので、乙は、丙との関係で詐欺罪が成立する。
          2.  
          3. (ⅱ)甲乙間の契約即ち甲乙間の共謀により上記業務上横領罪が遂行されたことになり、甲には乙の犯罪の共謀共同正犯が成立する。甲は、国有財産たるパトリス(PATOLIS)の無断譲渡により国に損害を与えているので背任罪の構成要件に該当する。甲乙間の契約により即ち公務員甲は特許庁長官としての「職権を濫用して」、部下である特許技監や総務部長や総務課長や特許情報課長等の特許庁職員に国有財産たるパトリス(PATOLIS)の無断譲渡に関する指示を与え実行させたので、甲には職権濫用罪が成立する。この実行の際、甲の部下である特許技監や総務部長や総務課長や特許情報課長等の特許庁職員に「国有財産たるパトリス(PATOLIS)の無断譲渡に該当する。」旨の認識があった場合は、これらの特許庁職員に甲及び乙の犯罪の共犯が成立しうる。
          4.  
          5. (ⅲ)出資をした大会社丙1の知財担当者が、甲乙間の契約やパトリス(PATOLIS)の所有権は本来国にあることや甲乙の犯意を知っていた場合は、丙1の知財担当者に上記甲及び乙の犯罪の共犯が成立しうるとともに、大会社丙1との関係で会社法上の特別背任罪が成立しうる。
          6.  
        7. ④検索システム:パトリス(PATOLIS)の開発経緯並びに株式会社パトリス及び特許電子図書館(IPDL・JPLATPAT)の推移
          • ・昭和45年改正により、出願公開制度が採用されたことに伴い、国会で「新規性調査機関」の設立を決議。
          • ・昭和46年 財団法人:日本特許情報センター(JAPATIC)の設立
          • ・昭和53年 パトリス完成・運用開始(日立製作所が受注)
          • ・昭和59年 特許庁(JPO)、ペーパーレス計画の実施・開始
          • ・昭和60年 JAPATICを改組し、財団法人:日本特許情報機構(JAPIO)の設立
          • ・平成2年12月 JPO、世界で初めての特許・実用新案のオンライン出願の受付を開始(当時は専用回線を使用)(NTTデータが受注)
          • ・平成5年1月 JPO、CD-ROMの公開公報を発行し始める。
          • ・平成9年4月 JPO内の万国工業所有権資料館を工業所有権総合情報館に改称し、工業所有権相談業務と情報流通業務を開始。
          • ・平成9年頃 荒井特許庁長官と和田JAPIO理事長間において、パトリス(PATOLIS)譲渡に関する契約を締結する。
          • ・平成10年2月 パトリスのインターネトWEB検索サービスが開始される。
          • ・平成10年4月 JPO、汎用パソコンによるオンライン出願及び各種手続書類等のオンライン閲覧の受付を開始
          • ・平成11年3月 IPDL開始(NTTデータがSI:System Integratorとして受注)(途中から東芝が受注)
          • ・平成11年10月 パトリスのフルテキスト検索サービスが開始される。
          • ・平成12年1月 JPO、意匠、商標、PCT国際出願の国内段階手続及び査定系審判についてのオンライン手続の受付を開始
          • ・平成12年11月30日 財団法人日本特許情報機構(JAPIO)の評議員会及び理事会においてパトリス(PATOLIS)の民間企業への譲渡を決議した。即ち、パトリス(PATOLIS)の所有権を財団法人日本特許情報機構(JAPIO)から民間企業へ移転することを決議した(添付資料14(10)参照)。
          • ・平成13年1月 JPO、出願端末をパソコンへ一本化(専用端末を廃止)
          • ・平成13年4月 JPO内の工業所有権総合情報館を独立行政法人化し、独立行政法人:工業所有権総合情報館を設立
          • ・平成13年4月 株式会社パトリスがパトリスサービス開始(入札で東芝が受注)
          • ・平成16年10月5日 JPO、「特許庁業務・システム最適化計画」を策定。
          • ・平成16年10月 独立行政法人:工業所有権総合情報館を工業所有権情報・研修館(INPIT)に改称。
          • ・平成16年10月 IPDL、JPOからINPITに移管。
          • ・平成18年12月1日 JPO、TSOLと「業務・システム最適化に係る新事務処理システムの設計・開発」の請負契約を締結。(特許庁(JPO)の説明によると)特許庁情報システムに関する調査委員会が平成22年8月20日に作成した「調査報告書」にある通り、JPOにおいては、最適化計画に基づく新システムの開発について、「開発の効率性等の観点から、主に特許等の事務処理を行う『特許庁運営基盤システム』と実体審査において先行技術文献等の調査を行う『特許庁新検索システム』の2つに分けて行うことし」た。当該開発において、『特許庁新検索システム』は、『特許庁運営基盤システム』を基盤として動作することから、『特許庁運営基盤システム』を先行して開発することとしており、平成18年請負契約は、『特許庁運営基盤システム』の設計及び開発のみであって、『特許庁新検索システム』は含まれていない。
          • ・平成21年7月17日 株式会社パトリスが東京地裁に民事再生法に基づく再生手続を申立て。
          • ・平成21年7月22日 株式会社協和テクノサービスの支援を受け、手続開始が決定。
          • ・平成21年10月29日改定の「特許庁業務・システム最適化計画」によると、産業財産権関連情報等の対外提供については、平成18年12月から設計・開発を開始している特許庁運営基盤システムの構築後(平成27年1月目途)は、「インターネット上の一つのポータルから情報を入手できるようにするサービスの提供を実施する。」とされた。
          • ・平成22年4月19日、経済産業省は、「経済産業省所管独立行政法人の改革について」を公表し、「特許電子図書館事業については、特許庁新検索システムが稼働すれば、特許庁データベースからリアルタイムで特許情報の提供が可能となることから、その段階でINPITの事業としては廃止する。」とした。
          •  
          • ・平成22年12月 閣議決定・IPDL廃止⇒平成22年12月7日付けで閣議決定された「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」では、同年10月29日に行われた内閣府行政刷新会議ワーキンググループ「事業仕分け」の評価結果に基づき、「特許電子図書館事業については、特許庁の新検索システムの本格運用に合わせ、INPITの事業としては廃止する。」とされ、その実施時期は平成26年度中とされた。
          • ・平成24年1月 TSOL最適化計画の失敗⇒特許庁は、特許庁情報システムに関する技術検証委員会が取りまとめた「技術検証報告書」(平成24年1月23日)での指摘を踏まえ、特許庁運営基盤システム及び特許庁新検索システムを含む業務システム最適化に係る新事務システムの開発を中断したため、最適化計画を中断した。
          • ・平成25年3月15日 特許庁システムを刷新し、システム構造の抜本的見直しを進めるとした新たな最適化計画(「最適化計画改定版」)を公表し、産業財産権情報の対外提供の強化が実施すべき施策の一つとされるとともに「現行の特許電子図書館については基本方針を踏まえて対応する。」とされた。
          • ・平成25年3月 JPO・INPIT合意・JPLATPATの実施⇒INPITが行う事務及び業務については、独立行政法人通則法に基づき、経済産業大臣が独立行政法人が達成すべき業務運営に関する目標(中期目標)を定め、これをINPITに指示し、INPITは、中期目標を達成するための計画(中期計画)を作成し、経済産業大臣の認可を受け、さらに、INPITは、事業年度の業務運営に関する計画(年度計画)を定め、これを経済産業大臣に届け出た上で、実施されるものである。INPITは、「独立行政法人工業所有権情報・研修館平成25年度計画」において、「基本方針及び最適化計画改訂版を踏まえ、特許電子図書館事業の廃止後に出願人などのユーザーにインターネットを利用して工業所有権情報を切れ目なく提供する新たなサービスの準備を進める。」とし、さらに、「独立行政法人工業所有権情報・研修館平成26年度計画」において、第5回産業構造審議会知的財産分科会(平成26年2月24日)の議論を踏まえ、「新たな『産業財産権情報提供サービス事業』(仮称)の準備を進め、平成27年3月末に提供を開始する。」とされた。
          • ・平成26年1月31日 株式会社パトリスがPATOLISの総てのサービスを終了。
          • ・平成26年2月 知的財産分科会提言・IPDLの刷新
          • ・平成26年3月31日 株式会社新川情報(旧株式会社パトリス)の解散
          • ・平成26年7月 NRIサイバーパテント株式会社が、清算中の株式会社新川情報(旧株式会社パトリス)からパトリス抄録及びフリーキーワードの著作権を譲り受けるとともに、「パトリス」に関する商標権を譲り受ける。これに伴い、NRIサイバーパテント株式会社が、自己のサイバーパテントデスク2にパトリス資源を含めてサービス開始
          • ・平成27年3月20日 INPIT、IPDL廃止。
          • ・平成27年3月23日 INPIT、JPLATPATの実施(東芝が受注)(IPDLとJPLATPATのデータベースは共通で全く同一であるが、この検索システムを新しく作成しJPLATPATとし、従来のIPDLの検索システムを廃棄した。)
          • ~~現在に至る。
        8. ⑤パトリス(PATOLIS)民営化の悪影響及び総括の必要性
        9.  

           上記のパトリス(PATOLIS)民営化の悪影響は、計り知れないものがある。このパトリス(PATOLIS)民営化が、平成13年の株式会社パトリスの設立以降、平成16年の最適化計画策定及び実施に伴い、平成18年にTSOLに発注しながらも平成24年に失敗に終わるという施策の遠因になっているとともに、日本特許庁が昭和59年から実施してきたペーパーレス計画の大失敗を意味するものである。この間、日本の特許電子図書館がIPDLそしてJPLATPATと変更され現在に至っているが、パトリス(PATOLIS)が平成5年以前のデータを持っていってしまったために、特許電子図書館で平成5年以前のデータ検索ができなくなり、IPDLそしてJPLATPATにおいてもユーザーに特許情報検索に関する「平成5年以前のデータ検索ができない」という致命的影響を与えてしまい、この悪影響は現在にまで及んでいる。

           

           上記④のパトリス(PATOLIS)・IPDL・JPLATPATの経緯を鳥瞰図的に眺めてみると、平成9年頃の荒井特許庁長官と和田JAPIO理事長間において締結されたパトリス(PATOLIS)譲渡に関する契約を起点としてパトリス(PATOLIS)もIPDL・JPLATPATもともに受注業者が東芝に変わっていることに気が付く。即ち、昭和53年の開始時点のパトリス(PATOLIS)は日立が受注していたが、平成13年4月の株式会社パトリスによるパトリスサービスの開始の頃には東芝が受注している。

           

           また、平成2年12月に、日本特許庁は、専用回線を使用しながらも世界で初めての特許・実用新案のオンライン出願の受付を開始したが、この時点での日本特許庁(JPO)の事務処理システムを含むオンライン出願システムは、NTTデータが受注している。そして、平成11年3月のIPDLによるサービス開始時には、IPDLは、NTTデータが受注していたが、途中で東芝が受注するようになっている。

           

           また、平成16年10月5日の「特許庁業務・システム最適化計画」の策定に伴い、平成18年12月1日にJPOが実質的に東芝であるTSOLと「業務・システム最適化に係る新事務処理システムの設計・開発」の請負契約を締結し、この設計・開発は平成24年1月に失敗し、依然としてJPOの事務処理システムは、NTTデータが受注して開発したシステムが使用されている。これらの経緯から、JPOは、平成16年10月5日の「特許庁業務・システム最適化計画」により、JPOの事務処理システムもNTTデータから東芝に変えようとしていたことが伺われる。

           

           このように、平成9年頃の荒井特許庁長官と和田JAPIO理事長間において締結されたパトリス(PATOLIS)譲渡に関する契約及びこれに伴う平成13年のパトリス(PATOLIS)民営化の頃から、JPOの大規模な事務処理や検索等のシステムの調達先を従来の調達先である日立やNTTデータから全て東芝に変更されている又は変更しようとしていることになる。この調達先の変更方針も、上記国有財産:パトリス(PATOLIS)の無断譲渡というパトリス(PATOLIS)民営化を前提にすると、JPO内部における事務処理や検索等のシステムの物理的機械装置の具体的内容をNTTデータや日立による製造物から東芝による製造物へと根こそぎにして変えることにより、国有財産の無断譲渡というパトリス(PATOLIS)民営化の誤りを物理的に隠蔽しようとするJPOの組織的意図が積極的に働いていることは明らかであるように思う。

           

           結局、パトリス(PATOLIS)民営化により、平成13年にパトリスサービスを開始した株式会社パトリスも倒産して最終的にパトリス(PATOLIS)の検索システムがNRIサイバーパテントの検索システムに組み込まれてしまい、さらに平成11年に始まったIPDLも廃棄されてしまい、ユーザーに特許情報検索に関する「平成5年以前のデータ検索ができない」という致命的影響を残すだけの結果となってしまった。つまり、平成9年頃の荒井特許庁長官と和田JAPIO理事長間において締結されたパトリス(PATOLIS)譲渡に関する契約により、国有財産であるパトリス(PATOLIS)が売り飛ばされるとともに、JPOの最重要政策である産業財産権情報提供システムである特許電子図書館であるJPLATPATにおいて、「平成5年以前のデータ検索ができない」という致命的影響を残すだけの結果となったのである。

           

           本来、日本における産業財産権情報提供システムである特許電子図書館に関する政策は、産業財産権を管轄する日本特許庁(JPO)の専属的な業務であり、JPO内で全てが決定されるべきものである。にもかかわらず、上記の如く、平成22年4月19日に経済産業省は、「経済産業省所管独立行政法人の改革について」を公表し、「特許電子図書館事業については、特許庁新検索システムが稼働すれば、特許庁データベースからリアルタイムで特許情報の提供が可能となることから、その段階でINPITの事業としては廃止する。」としたように、特許庁(JPO)を離れた本省である経済産業省により、産業財産権情報提供システムである特許電子図書館の廃止が決められるに至っている(尚、この独立行政法人に関する改革を公表した際の経済産業大臣は、鳩山内閣下の直嶋正行参議院議員。)。

           

           さらに、上記の如く、この特許電子図書館の廃止が、閣議決定という内閣が関与する形で決定されている。即ち、上記の如く、平成22年12月7日付けで閣議決定(尚、この閣議決定時の内閣総理大臣は、管直人衆議院議員で、経済産業大臣は、大畠章宏衆議院議員。)された「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」では、同年10月29日に行われた内閣府行政刷新会議ワーキンググループ「事業仕分け」の評価結果に基づき、「特許電子図書館事業については、特許庁の新検索システムの本格運用に合わせ、INPITの事業としては廃止する。」とされ、その実施時期は平成26年度中とされたのである。ところが、平成24年1月のTSOLの開発による最適化計画の失敗により、このなかの「特許庁の新検索システムの本格運用」の前提となる特許庁運営基盤システムの構築ができず、結局、「特許庁の新検索システムの本格運用」が一切なされていない状態である。

           

           このように、産業財産権情報提供システムである特許電子図書館に関する政策が、JPOだけでは決定することができず、さらに本省である経済産業省にも決定することができず、さらに最終的に行政権を担う内閣が閣議決定という形でも実効ある形で決定することが出来なくなっているのである。これは一体何を意味するかというと、パトリス(PATOLIS)民営化即ち国有財産であるパトリス(PATOLIS)の無断譲渡という犯罪行為を特許庁(JPO)のみならず経済産業省や内閣も組織的に隠蔽しようとしている、即ち、特許庁(JPO)の国有財産であるパトリス(PATOLIS)の無断譲渡という犯罪行為の隠蔽工作への加担という形で経済産業省や内閣も関与してしまったということを意味するとともに、産業財産権を管轄する特許庁の最重要政策である産業財産権情報提供システムである特許電子図書館に関する政策をJPO自身が自ら決定できなくなり完全に統治能力を喪失していることを意味しているのである。つまり、特許庁の最重要政策である産業財産権情報提供システムに関し犯してしまった国有財産であるパトリス(PATOLIS)の無断譲渡という犯罪行為の悪影響が最早消し難く小手先の解決策では解決できないところまできているのである。即ち、国有財産であるパトリス(PATOLIS)の無断譲渡という犯罪行為を犯す大失敗をしてしまったために、係員・審査官補・審査官・審査長・係長・室長・課長・審判官・審判長・部門長・部長・特許技監・長官といった特許庁全職員たちが、自己の所属する行政機関である特許庁の管轄対象たる産業財産権の情報提供システムという最重要政策の在り方を自信と使命と責任をもって一般国民等のユーザーに語ることにより、行政としての説明責任を果たすことが極めて困難な状況になってしまっているのである。

           

           この国有財産であるパトリス(PATOLIS)の無断譲渡という犯罪行為は、恐らく、金額的にも組織的にもそして一般国民等のユーザーに対する波及効果の大きさという点でも、明治維新以降、日本が近代国家へ向かって邁進してきた、この150年間に発生した公務員の職権濫用行為のなかでも最大級のものであることは間違いない。この国有財産であるパトリス(PATOLIS)の無断譲渡という犯罪行為と比較すると、現在、安倍政権下で問題となっている森友問題や加計学園問題における国有財産の無断譲渡や職権濫用行為などは比較的可愛いものである。パトリス(PATOLIS)の譲渡金額だけで約20億円が動いている。その後のパトリス(PATOLIS)の無断譲渡に起因する無駄使いは、優に100億円又は計算の仕方によっては1,000億円を越えると思われる。因みに、平成30年2月6日付のWIKIPEDIAによると、昭和51年2月に発生した世界的な大規模汚職事件であるロッキード事件で贈賄側のロッキード社から右翼:児玉誉士夫に流れた金額は約21億円、そして最終的に田中角栄元首相に流れた金額が約5億円である。このパトリス(PATOLIS)の無断譲渡に起因する無駄使いは、ロッキード事件で問題となった金額よりもはるかに多いのである。さらに、重要なことは、このパトリス(PATOLIS)の無断譲渡の波及効果の絶大な大きさである。即ち、上記した如く、この国有財産であるパトリス(PATOLIS)の無断譲渡により「平成5年以前のデータ検索ができない」という致命的影響や特許電子図書館(IPDL・JPLATPAT)の低レベルの機能設定により、産業財産権情報を無料で入手することができる旨の一般国民等の全ユーザーの「いわゆる知る権利」が大きく侵害されているということである。

           

           さらに、たちが悪いのは、この国有財産であるパトリス(PATOLIS)の無断譲渡という犯罪行為が、特許庁(JPO)という行政機関内部の最高幹部である長官や特許技監や部長や当時の特許情報課長等により組織的に進められたということである。つまり、この国有財産であるパトリス(PATOLIS)の無断譲渡は、特許庁の複数の最高幹部が関与する形で進められた明確な組織犯罪だということである。即ち、平成9年頃の荒井特許庁長官と和田JAPIO理事長間において締結されたパトリス(PATOLIS)譲渡に関する契約を起点とした、この特許庁の組織犯罪が、経済産業省の組織犯罪へと拡大し、さらに、内閣の組織犯罪へと拡大し、現在では、政府による前代未聞の最大級の国家犯罪に転化してしまっているのである。これらの組織犯罪のいくつかが、時効期間の経過により公訴時効が完成していたとしても、刑事責任を果たさずとも民事責任とともに政治責任も含めた説明責任が果たされなければならないことは、論を待たないところである。

           

           この点は、特許庁内部の職員等の公務員のみならず、我々知的財産業界における民間人に対しても大きな課題を突き付けるものである。即ち、明治維新以降、日本が近代国家へと邁進してきた、この150年間における最大級の公務員の職権濫用行為が、なぜ、我々知的財産業界における産業財産権を管轄する日本特許庁(JPO)において、国有財産:パトリス(PATOLIS)の無断譲渡という形で発生してしまったのか?我々知的財産業界における民間人は、この最大級の公務員の職権濫用行為:国有財産であるパトリス(PATOLIS)の無断譲渡という犯罪行為をなぜ止めることができなかったのか?我々知的財産業界における民間人は、この最大級の公務員の職権濫用行為:国有財産であるパトリス(PATOLIS)の無断譲渡という犯罪行為をなぜ許してしまったのか?日本知的財産協会会員である所定の約20社前後の大企業における知財担当者は、なぜ、平成12年11月30日に開催された財団法人日本特許情報機構(JAPIO)の評議員会及び理事会においてパトリス(PATOLIS)の民間企業への譲渡の決議で賛成票を投じてしまったのか?日本知的財産協会会員であるこれらの大企業における知財担当者は、なぜ、株式会社パトリスに出資金を提供してしまったのか?株式会社パトリスの誕生そして倒産という事態を目の当たりにして、現時点でも株式会社パトリスに出資金を提供したことが正しかったといえるのか?現時点でもJAPIOの一部民営化即ちパトリス(PATOLIS)の民営化は正しかったといえるのか?本来あるべき産業財産権情報提供システムとは一体何であったのか?本来あるべき産業財産権情報提供システムとは一体何であるのか?この本来あるべき産業財産権情報提供システムと現状の産業財産権情報提供システムとのギャップは何であるのか?このギャップの本質的原因はどこにあるのか?日本知的財産業界における我々は、これらの最大級の課題に真正面から向き合わなければならないのである。

           

           従って、今後あるべき解決策は、制度・組織・人事の小手先の改革や改良だけでは済まないのである。つまり、現状の日本特許庁及び日本知的財産業界の徹底的な破壊そして未来の日本特許庁及び日本知的財産業界のゼロベースからの再構築、即ち、日本特許庁及び日本知的財産業界の創造的破壊そしてその後の破壊的創造、これしかないのである。

        10. ⑥パトリス(PATOLIS)に関する改革
        11.  日本特許庁(JPO)は、上記パトリス(PATOLIS)民営化を総括し、パトリス(PATOLIS)を買い戻し、日本の特許電子図書館JPLATPATにパトリス(PATOLIS)を付け加え、ユーザーに与えている上記特許情報検索に関する致命的影響を排除すべきである。そして、当初の原理・原則通り、日本の特許電子図書館の呼称を現状のJPLATPATからパトリス(PATOLIS)に変更すべきである。

      • (6)国際情報改革
        1. ①INPADOCの管理主体変更に関する改革
        2.  INPADOC(国際特許ドキュメンテーションセンター)の管理主体をEPO(欧州特許庁)からWIPO(世界知的所有権機関)に変更する。

        3. ②デザインファミリー創設に関する改革
        4.  WIPOのリーダーシップにより、パテントファミリーに加え、デザインファミリーを作成する。

        5. ③トレードマークファミリー創設に関する改革
        6.  WIPOのリーダーシップにより、パテントファミリーに加え、トレードマークファミリーを作成する。

        7. ④世界特許電子図書館設立に関する改革
        8.  WIPOのリーダーシップにより、世界各国の特許電子図書館(IPDL)を有機的に結合させた世界特許電子図書館を構築する。

        9. ⑤WIPO加盟国内における各ファミリー無料開放に関する改革
        10.  上記世界特許電子図書館において、WIPO加盟国内において、INPADOCの提供するパテント・デザイン・トレードマークの各ファミリーを無料で利用できるようにする。

        11. ⑥世界特許電子図書館設立のための国際条約締結に関する改革
        12.  上記④及び⑤を実現するためにWIPOを主体とした特許電子図書館設立のための国際条約を締結する。

        13. ⑦産業財産権の権利処理システムに関する国際条約締結に関する改革
        14.  上記4(3)に記載した産業財産権の権利処理システムを国際的に実現するために、上記4(2)②に記載の種々の知的財産に関する国際条約における産業財産権の譲渡・使用権や実施権の許諾等に関する条項をまとめた、WIPOを主体とした包括的な産業財産権の権利処理システムに関する国際条約を締結する。

      • (7)国内業界改革
      •  
           
        1. ①日本弁理士会の解散・廃止に関する改革
        2.  

           日本弁理士会を解散・廃止する。 ∵会務活動が各弁理士の代理人としての客集めに悪用されるケースが目立ち、各弁理士が集合して統治するメリットが左程大きくない。もともと、弁理士は、産業財産権という極めて狭い分野の専門家であるため、これらの弁理士同士が集合して会務活動をしても公益達成に結びつくことが必ずしも容易ではない。

           
        3. ②日本知的財産協会の解散・廃止に関する改革
        4.  

           日本知的財産協会を解散・廃止する。 ∵協会内部の業界内において実施権交渉の手続等を予め決めることは不公正取引として独占禁止法違反のおそれが大きいとともに、日本の大企業の知財部員同士の馴れ合い的関係が発生しやすく、世界的なグローバル競争における「攻めと守りの知財経営」の実現に必ずしもそぐわない。もともと、上位1,000社前後の少数の大企業が中心となっているため、中小企業や個人の要望が反映されにくい。

           
        5. ③発明協会の組織形態変更に関する改革
        6.  

           公益社団法人:発明協会の組織形態を独立行政法人に変更する。 ∵公正公平な運営のため、民間出資を受けないことが好ましい。

           
        7. ④上記③の独立行政法人:発明協会に関する改革
        8.  

           新しく上記③の独立行政法人:発明協会の傘下に、大企業部門、中小企業部門、個人部門(学生を含む)、専門家部門(弁護士・弁理士等)、教育者部門(大学教授・高校教諭等)の5部門を設け、これら5部門からの公正・公平な人事の組合せにより、産業財産権制度の各論点に関する審議会・研究会・委員会等を構成する。∵現行産業財産権法改正において、特許庁の意図に加え、出願大手企業等の大企業や弁理士等の専門家の意見が反映されやすく、中小企業や個人や教育者の意見が反映されにくいので、これらの各関係者の意見を反映できるような恒常的な会議体を設置する必要性が認められる。

           
        9. ⑤産業財産権の審議会に関する改革
        10.  

           特許庁が何からの改革・改正を実施する場合において広く国民の意見を聞く必要がある場合、上記④の審議会・研究会・委員会等に諮問するようにする。∵大企業や弁理士等の専門家の意見に偏ることなく、中小企業や個人や教育者の意見も積極的に取り入れる必要がある。

           
      • (8)国際業界改革
      •  上記(7)④の日本における知的財産業界の構築を各国に紹介することにより、各国の主権を尊重しつつ各国における公正・公平な知的財産業界の構築を促し、各国間の自由闊達な意見交換の場を作っていく。

    6. 6.JPOとJAPIO間のパトリス民営化に関する契約の存在・内容を立証する証拠資料
    7. (下記(1)(2)の各書面は情報公開法に基づく請求に対し特許庁長官から開示された資料である。)

      • (1) 平成14年5月28日付の「「特許情報オンラインサービス協議会」設立のご報告」と題する書面(添付資料14(1)参照)
      •  この書面第1頁の下から4行目乃至2行目に記載の通り、株式会社パトリスは、別紙の通り、平成10年6月に石丸特許庁総務部長と和田JAPIO理事長間で確認した共通理解を、平成12年2月に再確認したことが出発点になっているのである。具体的には、この別紙によると、1998年(平成10年)6月18日に石丸特許庁総務部長と和田JAPIO理事長間で「IPDLとPATOLISに関する合意」をし、この合意内容を2000年(平成12年)2月24日に北爪特許庁総務部長と和田JAPIO理事長間で再確認していることが判明する。この合意内容(共通理解)によると、次の3点を合意していることになる。

        • ① 特許庁は、PATOLISが果たしてきた機能を高く評価し、今後もより低廉かつより高機能になることを望んでいる。
        • ② IPDLとPATOLISとは別物で、IPDLはPATOLISにとって代わるものではない。
        • ③ IPDLは、一般的利用者の標準的ニーズを満たす即ち広くて浅いサービスを基本とする。ユーザーがPATOLISを指向すればそれで構わない。

         平成11年3月にJPOは、IPDLのサービスを始めているので、上記特許庁総務部長と和田JAPIO理事長間の共通理解は、このIPDL開始の約9カ月前になされ、IPDL開始の約11カ月後に再確認されていることになる。平成11年3月にIPDLが開始された際は、「特許庁は行政機関として必要最小限の機能を提供する。」旨の方針によるとしてIPDLの機能が低くユーザーにとって使い勝手が悪かったが、このIPDLの低機能は、上記特許庁総務部長とJAPIO和田理事長間の共通理解③のなかの「IPDLは、一般的利用者の標準的ニーズを満たす即ち広くて浅いサービスを基本とする。」に基づいていたためであると考えられる。

         尚、この別紙のなかの「共通理解」の文言の横に「(骨子)」の文言が存在しているので、この別紙に記載された内容よりも詳細な文書が存在するはずである。この「(骨子)」の文言の存在を理由として特許庁長官に対し、「この別紙に記載された内容よりも詳細な文書」を情報公開請求したが、現時点で特許庁長官は、「この別紙に記載された内容よりも詳細な文書」の存在を否定し、不開示決定をしている。

      • (2) 2002年12月2日付の特許情報オンラインサービス協議会の和田裕会長から太田特許庁長官へ宛てた書面(添付資料14(2)参照)
      •  この書面の添付資料である財務省の古澤主計官に宛てた書面の2枚目の中段に「これまで特許庁との協議の中での公約、署名入りの約束があります」旨の記載があるが、このなかの「公約、署名入りの約束」が平成9年頃になされた荒井特許庁長官と和田JAPIO理事長間のPATOLIS譲渡に関する契約である判断される。

         尚、この書面の記載を根拠にして特許庁長官に対し「平成9年頃になされた荒井特許庁長官と和田JAPIO理事長間のPATOLIS譲渡に関する契約」の開示を求め情報公開請求しているが、現時点で特許庁長官は、この「平成9年頃になされた荒井特許庁長官と和田JAPIO理事長間のPATOLIS譲渡に関する契約」の存在を否定し、不開示決定をしている。

      • (3) 特許情報オンラインサービス協議会会員の証言
      •  平成14年5月頃、特許庁ビル即ちインテリジェントビル内の特許庁長官室で特許庁長官と特許情報オンラインサービス協議会会員との間でIPDLの機能に関する協議が行われているが、この際、「平成9年頃になされた荒井特許庁長官と和田JAPIO理事長間のPATOLIS譲渡に関する契約」が出された旨の特許情報オンラインサービス協議会会員の証言が存在している。

         尚、上記(2)に記載の「平成9年頃になされた荒井特許庁長官と和田JAPIO理事長間のPATOLIS譲渡に関する契約」に関する特許庁長官の不開示決定に対し、平成15年頃、情報公開請求訴訟を東京地裁に提起し、この特許情報オンラインサービス協議会会員の証人尋問を請求したが、この証人尋問請求は認められず、棄却判決が確定している。同様に、再度の「平成9年頃になされた荒井特許庁長官と和田JAPIO理事長間のPATOLIS譲渡に関する契約」に関する特許庁長官の不開示決定に対し、平成27年頃、情報公開請求訴訟を大阪地裁に提起し、この特許情報オンラインサービス協議会会員の証人尋問を請求したが、この証人尋問請求は認められず、棄却判決が確定している。さらに実質的に再度の「平成8年頃から平成10年頃になされた荒井特許庁長官と和田JAPIO理事長間のパトリス譲渡に関する契約書に関する文書(当該契約書に触れた文書や当該契約書を前提にして作成された文書や当該契約書を作成するための書面等を含む。)。」の情報公開請求を平成29年1月24日付で特許庁長官にしたが、不開示決定がなされ、同年4月17日に特許庁長官に対しこの不開示決定に対する行政不服審査法による審査請求をしたが、現時点(平成30年2月6日)に至るまで情報公開・個人情報保護審査会への諮問等の何らの手続もなされていない状態である。

    8. 7.パトリス(PATOLIS)が国有財産であることを立証する証拠資料
    9. (下記(1)(2)の各書面は情報公開法に基づく請求に対し特許庁長官から開示された資料である。)

      • (1)平成12年4月5日付12特総第804号「パトリス料金改定について」(添付資料14(3)参照)
      •  

         平成12年4月5日付の12特総第804号において、当時の北爪特許庁総務部長が和田JAPIO理事長に対し、「パトリス料金改定について」と題する書面を発出している。この書面は、平成10年10月に実施されたパトリス料金の改定の内容が、検索の仕方によっては大幅な料金値上げに該当するので小生を含む多くのパトリスユーザーから種々の抗議が特許庁になされたことから発出されたものである。

         

         この書面のなかに「これまでユーザーに対して公平に特許情報を提供することを条件に貴財団に対して特許庁保有データベースを交付しており、貴財団が同テータベースを利用してパトリスサービスを実施している」、「パトリスサービスが特許庁保有データベースを使用している」旨の各文言から、PATOLIS(パトリス)は、特許庁保有のデータベース即ち国有財産を使用した検索システムであることは明確である。

      • (2)特許庁保有のデータベース等に係る著作権の使用許可要領(添付資料14(4)参照)
      •  昭和62年3月20日付で特許庁保有のデータベース等に係る著作権の使用許可要領(62特総第318号)(以下、「使用許可要領」ともいう。)が制定されている。この使用許可要領第2条は、次のように規定されている。

         「使用許可要領第2条 特許庁長官は、前条の許可申請が次の各号に適合しており、許可をすることが特許情報の円滑な普及のために特に必要であると認めるときは、国有財産法第18条第3項により、使用許可を受けようとする著作権及びこれに係るデータベース等の用途又は目的を妨げない限度において、使用を許可するものとする。

        1. 1.使用許可申請者が、特許情報を総合的に収集・管理し、一般の求めに的確に応じ安定的、継続的かつ公平に提供することが確実であり、また、特許庁長官が必要であると認めた場合に行う指示に従うことが確実であると認められる者であること。
        2. 2.使用許可申請者に、使用許可を受けようとする著作権に基づく特許情報の提供に係る事業を、的確に遂行するに足りる経理的基礎及び技術的能力があること。
        3. 3.使用許可を受けようとする著作権に基づく特許情報の提供が、当該情報に対する需要に照らし適切なものであること。」

         この使用許可要領第2条本文において「国有財産法第18条第3項により」の文言があるが、この国有財産法第18条は、次のように規定されている。

         「国有財産法第18条(処分等の制限) 行政財産は、貸し付け、交換し、売り払い、譲与し、信託し、若しくは出資の目的とし、又は私権を設定することができない。

        1. 2 前項の規定にかかわらず、行政財産は、次に掲げる場合には、その用途又は目的を妨げない限度において、貸し付け、又は私権を設定することができる。
          1. 一 国以外の者が行政財産である土地の上に政令で定める堅固な建物その他の土地に定着する工作物であって当該行政財産である土地の供用の目的を効果的に達成することに資すると認められるものを所有し、又は所有しようとする場合(国と一棟の建物を区分して所有する場合を除く。)において、その者(当該行政財産を所管する各省各庁の長が当該行政財産の適正な方法による管理を行う上で適当と認める者に限る。)に当該土地を貸し付けるとき。
          2. 二 国が地方公共団体又は政令で定める法人と行政財産である土地の上に一棟の建物を区分して所有するためその者に当該土地を貸し付ける場合
          3. 三 国が行政財産である土地及びその隣接地の上に国以外の者と一棟の建物を区分して所有するためその者(当該建物のうち行政財産である部分を所管することとなる各省各庁の長が当該行政財産の適正な方法による管理を行う上で適当と認める者に限る。)に当該土地を貸し付ける場合
          4. 四 国の庁舎等の使用調整等に関する特別措置法(昭和三二年法律第十五号)第2条第2項に規定する庁舎等についてその床面積又は敷地に余裕がある場合として政令で定める場合において、国以外の者(当該庁舎等を所管する各省各庁の長が当該庁舎等の適正な方法による管理を行う上で適当と認める者に限る。)に当該余裕がある部分を貸し付けるとき(前三号に掲げる場合に該当する場合を除く。)。
          5. 五 行政財産である土地を地方公共団体又は政令で定める法人の経営する鉄道、道路その他政令で定める施設の用に供する場合において、その者のために当該土地に地上権を設定するとき。
          6. 六 行政財産である土地を地方公共団体又は政令で定める法人の使用する電線路その他政令で定める施設の用に供する場合において、その者のために当該土地に地役権を設定するとき。
        2. 3 前項第二号に掲げる場合において、当該行政財産である土地の貸付けを受けた者が当該土地の上に所有する一棟の建物の一部(以下この条において「特定施設」という。)を国以外の者に譲渡しようとするときは、当該特定施設を譲り受けようとする者(当該行政財産を所管する各省各庁の長が当該行政財産の適正な方法による管理を行う上で適当と認める者に限る。)に当該土地を貸し付けることができる。
        3. 4 前項の規定は、同項(この項において準用する場合を含む。)の規定により行政財産である土地の貸付けを受けた者が当該特定施設を譲渡しようとする場合について準用する。
        4. 5 前各項の規定に違反する行為は、無効とする。」

         従って、この使用許可要領では、上記国有財産法第18条第3項に規定する通り、特許庁保有データを行政財産である「土地」とみなし、この行政財産たる特許庁保有データをJAPIOに貸し付ける法形式を採用していることになる。また、国有財産法第18条第3項中の「前項第二号に掲げる場合において」の文言があり、この国有財産法第18条第2項第2号は、「国が地方公共団体又は政令で定める法人と行政財産である土地の上に一棟の建物を区分して所有するためその者に当該土地を貸し付ける場合」と規定しているところから、JPOは、特許庁保有データを土地とみなし、この特許庁保有データをJAPIOに貸し付け、JAPIOによる開発成果物たるパトリス検索システムを「一棟の建物」とみなし、「区分して所有する」の文言から、この「一棟の建物」たるパトリス検索システムをJPOとJAPIOとの共有にしようと意図していると推測することができる。国有財産法によると国有財産は、行政財産と普通財産よりなるが、具体的に国有財産法第3条に次のように規定されている。

        「国有財産法第3条(国有財産の分類及び種類)国有財産は、行政財産と普通財産とに分類する。

        2 行政財産とは、次に掲げる種類の財産をいう。

        1. 一 公用財産 国において国の事務、事業又はその職員(国家公務員宿舎法(昭和二十四年法律第百十七号)第2条第2号の職員をいう。)の住居の用に供し、又は供するものと決定したもの
        2. 二 公共用財産 国において直接公共の用に供し、又は供するものと決定したもの
        3. 三 皇室用財産 国において皇室の用に供し、又は供するものと決定したもの」

         従って、この使用許可要領においては、特許庁は、特許庁保有データを普通財産ではなく行政財産とみなし、国有財産法第2条第2項により、特に公用財産又は公共用財産であるとみなしていることになる。

         従って、この使用許可要領及び国有財産法により、特許庁(JPO)は、財団法人日本特許情報機構(JAPIO)に行政財産である国有財産たる特許庁保有データを交付(より正確には「無償貸与」)し、この国有財産たる特許庁保有データを使用してJAPIOがパトリス(PATOLIS)サービスを提供していることになる。

         また、この使用許可要領の正式名称:「特許庁保有のデータベース等に係る著作権の使用許可要領」の通り、使用者(この場合はJAPIO)から特許庁保有のデータベースの使用により著作権使用料を徴収するためのものであるから、データベースの所有権は特許庁にあることが当然の前提となっている。具体的には、この使用許可要領の別表によると、特許庁保有のデータベースの区分として「書誌データベース(特許・実用新案出願マスターテープ等)」、「文献データベース(総合資料電子ファイルデータベース、公開特許英文抄録データ等)」、「検索用データベース(Fターム検索マスター等)」及び「出版物(公開特許英文抄録誌、米国特許発明明細書翻訳抄録誌等)」の四区分としてこの区分に応じた著作権使用料を徴収している。

         上記したことから、JPOが行政財産に属する国有財産である特許庁保有データをJAPIOに無償貸与し、この無償貸与された特許庁保有データを使用してJAPIOは、パトリス(PATOLIS)検索システムを開発し、パトリス(PATOLIS)サービスを提供していることになる。JAPIOは、無償貸与された特許庁保有データを使用している以上、開発されたパトリス(PATOLIS)検索システムの所有権もJPO即ち国有財産であるとするのが筋である。例えば、JPO・JAPIO間のパトリス(PATOLIS)検索システムの開発に関する契約は、民法上の請負契約の要素が大きいと思う、即ち、JPOが注文主であり、JAPIOを請負人とする請負契約において、JAPIOが開発した目的物たるパトリス(PATOLIS)検索システムの所有権は特段の事情がない限り、注文主たるJPOにある。この点は、特に、注文主たるJPOが出願データという材料を100%提供していることからも、目的物たるパトリス(PATOLIS)検索システムの所有権は、注文主たるJPOにあるというべきである。

         これに対し、JPOから提供されたデータは特許庁保有即ち国有財産であるが、このJPOから提供されたデータを元にしてJAPIOが開発したパトリス(PATOLIS)検索システム自体はJAPIOのもの即ちパトリス(PATOLIS)検索システムの所有権はJAPIOにあるとする反論が考えられる。即ち、パトリス(PATOLIS)を検索システムとデータベースとに区別して、データベースは国有財産であるが、検索システムの所有権はJAPIOに属するという反論である。

         しかし、この使用許可要領により使用が実際に許可されたのはJAPIOのみであり、JAPIOは国有財産たる特許庁保有データベースを独占排他的に享受するとともに、パトリス(PATOLIS)の開発資金として税金や各種の補助金も投入されている以上、パトリス(PATOLIS)検索システムの所有権は国にあり、検索システムもデータベースもともに国有財産であると考えるのが整合的であるように思う。

         ただ、いずれにせよ、つまり、この反論を採用したとしても即ちパトリス(PATOLIS)検索システムの所有権はJAPIOにありデータベースの所有権は国にあると考えても、今回の「JAPIOの一部民営化」即ち「パトリス(PATOLIS)の民営化」においては、パトリス(PATOLIS)データが譲渡されている。即ち、特許庁保有データベースであるパトリス(PATOLIS)データが譲渡されているので、行政財産たる国有財産の無断譲渡に該当することは間違いないのである。即ち、今回の「JAPIOの一部民営化」即ち「パトリス(PATOLIS)の民営化」は、行政財産たる国有財産の無断譲渡に該当し、国有財産法第18条第1項に規定する「行政財産は、」「売り払い」「することができない」に明確に反し、国有財産法第18条第5項により無効である。

    10. 8.特許庁保有データに関する使用・販売・著作権に関する使用許可要領等の改正史
      1. (1)ペーパーレス計画における各使用許可要領等の改正史
      2.  
           
        • ・昭和46年9月18日、「特許庁の資料類の交付要領」(46特総第867号)を制定。
        •  
        • ・昭和59年、ペーパーレス計画の始動。
        •  
        • ・昭和60年、著作権法改正により、コンピュータ・プログラムの保護規定を導入(昭和61年施行)。
        •  
        • ・昭和61年、著作権法改正により、データベースの保護規定を導入(昭和62年施行)。
        •  
        • ・昭和62年3月20日、「特許庁保有のデータベース等に係る著作権の使用許可要領」(62特総第318号)(添付資料14(4)参照)を制定。
        •  
        • ・平成2年、工業所有権に関する手続等の特例に関する法律(以下、「特例法」ともいう。)の公布・施行。
        •  
        • ・平成2年12月1日、特許・実用新案の電子出願開始。
        •  
        • ・平成4年6月1日以降、上記電子出願された特許・実用新案の公開公報が発行される。
        •  
        • ・平成4年12月25日、「CD―ROM公報販売に伴う特許庁保有の著作権の使用許可要領(4特総第1992号)」(添付資料14(5)参照)を制定。
        •  
        • ・平成5年1月、特許・実用新案のCD―ROM公報の発行。
        •  
        • ・平成7年7月3日、「商標情報データベースの一括販売に伴う特許庁保有の著作権の使用許可要領(7特総第260号)」(添付資料14(6)参照)を制定。
        •  
        • ・平成10年3月26日、「特許庁データ販売事業の許可要領(10特総第313号)」を制定(添付資料14(7)参照)。
        •  
        • ・平成11年12月10日、「公報の紙媒体発行に要する特許庁保有の公報データの使用許可要領(11特総第184号)」を制定(添付資料14(8)参照)。
        •  
        • ・平成12年2月、「平成10年3月までに発行されたCD-ROM公報のデータの利用条件の変更について」(添付資料14(9)参照)
        •  
        • ・平成27年3月1日、「公報の媒体発行に要する特許庁保有の公報データの使用許可要領(20150220特許7)」(添付資料14(12)参照)を制定。
        •  
        • ・平成27年3月31日、「特許庁データ販売事業の許可要領(10特総第313号)」を廃止。
        •  
        • ・平成27年4月1日、特許庁で発行する全ての公報をインターネットで発行。
        •  
        • ★現在、公報等の販売許可については、①使用許可要領において、特許庁保有公報データを使用した公報情報(紙媒体)の販売を、②販売許可要領において、公報(電子媒体)や特許庁保有のデータベースを活用した整理標準化等データの販売等を、希望する民間事業者に対し条件付きで許可をしている。
        •  
        • ★平成27年4月1日より、特許庁で発行する全ての公報をインターネットで発行。
        •  
        • ★新たな許可要領「公報の媒体発行に要する特許庁保有の公報データの使用許可要領」(添付資料14(12)参照)について
        •  

           インターネットで提供する公報へのアクセスが困難な者に対する特許情報の円滑な普及のため、媒体を希望するユーザーのニーズに応える公報データの販売事業者に対し、特許庁保有の公報データの貸与を可能とするもの。

           
        • 平成27年2月中に特許庁HPに掲載し、平成27年3月から本許可要領に基づく申請を順次受け付ける予定。
        •  
        • 平成27年4月1日より、本許可要領に基づく、許可を受けた販売事業者による媒体販売の開始の予定。
        •  
      3. (2)各使用許可要領の改正史
        • ・昭和46年9月18日付「特許庁使用の資料類の交付要領」(46特総第867号)
        • ・昭和62年3月20日付「特許庁保有のデータベース等に係る著作権の使用許可要領」(62特総第318号)(添付資料14(4)参照)
        • ・平成4年12月25日付「CD-ROM公報販売に伴う特許庁保有の著作権の使用許可要領」(4特総第1992号)(添付資料14(5)参照)
        • ・平成7年7月3日付「商標情報データベースの一括販売に伴う特許庁保有の著作権の使用許可要領」(7特総第1260号)(添付資料14(6)参照)
        • ・平成10年3月26日付「特許庁データ販売事業の許可要領」(10特総第313号)(添付資料14(7)参照)
        • ・平成11年12月10日付「公報の紙媒体発行に要する特許庁保有の公報データの使用許可要領(11特総第1849号)」(添付資料14(8)参照)
        • ・平成12年2月付「平成10年3月までに発行されたCD-ROM公報データの利用条件の変更について」(添付資料14(9)参照)
        • ・平成27年2月27日付「特許庁データ販売事業の許可要領(10特総第313号)」廃止(20150220特許2)(添付資料14(11)参照)
        • ・平成27年3月1日付「公報の媒体発行に要する特許庁保有の公報データの使用許可要領」(20150220特許7)(添付資料14(12)参照)
        各使用許可要領の対象の変遷
        各使用許可要領 対象 異同比較
        昭和46年9月18日付「特許庁使用の資料類の交付要領」(46特総第867号)不明不明
        昭和62年3月20日、「特許庁保有のデータベース等に係る著作権の使用許可要領」(62特総第318号)特許庁保有のデータベース(「著作権法第2条第1項第10の3号で規定するデータベースであって、特許庁が著作権を有するもの」以下単に「データベース」という。)等に係る著作権「データベース等」に係る著作権とあるが、このなかの「等」とは、具体的に何を指すのか?別表によると、四区分されているが、このうちの4区分目の「出版物」が入っている。
        平成4年12月25日付「CD-ROM公報販売に伴う特許庁保有の著作権の使用許可要領」(4特総第1992号)CD-ROM公報データベース(CD-ROM公報に格納された状態の公報データのデータベースをいう。)に係る著作権(CD-ROM公報販売に伴う)「特許庁保有のデータベース等に係る著作権の使用許可要領」(昭和62年3月20日付け62特総第318号)第1条中「特許庁が著作権を有するもの」の次に「(CD-ROM公報データベース(CD-ROM公報に格納された状態の公報データのデータベース)を除く。)」を加える。ということは、(昭和62年3月20日付け62特総第318号が一般法であり、平成4年12月25日付「CD-ROM公報販売に伴う特許庁保有の著作権の使用許可要領」(4特総第1992号)が特別法の関係にあることを示している。
        平成7年7月3日付「商標情報データベースの一括販売に伴う特許庁保有の著作権の使用許可要領」(7特総第1260号)商標情報データベース(別表1に掲げる商標出願データのデータベースをいう。)の一括販売に伴う、データベースの著作権「特許庁保有のデータベース等に係る著作権の使用許可要領」(昭和62年3月20日付け62特総第318号)第1条中「特許庁が著作権を有するもの」の次に「(一括販売される商標情報データベース(別表1に掲げる商標出願データのデータベースをいう。)を除く。)」を加える。ということは、(昭和62年3月20日付け62特総第318号が一般法であり、平成7年7月3日付「商標情報データベースの一括販売に伴う特許庁保有の著作権の使用許可要領」(7特総第1260号)が特別法の関係にあることを示している。
        平成10年3月26日付「特許庁データ販売事業の許可要領」(10特総第313号)「特許庁保有のデータベース」とは、別表1に掲げるデータベース又は別表2に掲げる商標出願データのデータベースをいい、「特許庁データ」とは、特許庁保有のデータベースから特許庁が抽出したデータ又は紙媒体による公報若しくは読み取り専用光ディスクによる公報(インターネットを通じて発行する公報に掲載されている事項を記録した読み取り専用光ディスクを含む。)をいう。このように、「特許庁データ」とは、①「特許庁保有のデータベース」から特許庁が抽出したデータ、②紙媒体による公報及び③読み取り専用光ディスクによる公報(インターネットを通じて発行する公報に掲載されている事項を記録した読み取り専用光ディスクを含む。)の三項目からなり、「特許庁保有のデータベース」の全てが「特許庁データ」に含まれるわけではないのである。具体的には、平成5年以前の電子データは含まれていない。即ち、平成5年以前の電子データは、行政財産たる国有財産のままであり、パトリスデータを意味する。
        平成11年12月10日付「公報の紙媒体発行に要する特許庁保有の公報データの使用許可要領(11特総第1849号)」特許庁保有の公報データ(以下「公報データ」という。)とは、特許庁が読み取り専用光ディスクで発行する公報又はインターネットを通じて発行する公報の編集済データをいう。
        平成12年2月付「平成10年3月までに発行されたCD-ROM公報データの利用条件の変更について」平成10年3月までに発行されたCD-ROM公報のデータの利用条件を、今後、以下のように変更する。
        平成27年2月27日付「特許庁データ販売事業の許可要領(10特総第313号)」廃止(20150220特許2)特許情報プラットフォームにおける一括ダウンロードサービスの開始に伴い「特許庁データ販売事業の許可要領」(10特総第313号)は平成27年3月31日をもって廃止する。平成27年3月1日付「公報の媒体発行に要する特許庁保有の公報データの使用許可要領」(20150220特許7)の附則のなかに「平成27年3月31日までに発行された紙媒体による公報及び読み取り専用光ディスクによる公報(インターネットを通じて発行する公報に掲載されている事項を記録した読み取り専用光ディスクを含む。)の販売については、「特許庁データ販売事業の許可要領」(10特総第313号)による。」とあるので、この限りにおいては、「特許庁データ販売事業の許可要領」(10特総第313号)は存続している。
        平成27年3月1日付「公報の媒体発行に要する特許庁保有の公報データの使用許可要領」(20150220特許7)特許庁保有の公報データ(以下「公報データ」という。)とは、特許庁がインターネットを通じて発行する公報の編集済データをいう。また、「媒体」とは、読み取り専用の光ディスク等の電子媒体及び紙媒体をいう。
      4. (3)各使用許可要領の改正史に関する私見
      5.  上記平成10年3月26日付「特許庁データ販売事業の許可要領」(10特総第313号)によると、「特許庁データ」とは、①「特許庁保有のデータベース」から特許庁が抽出したデータ、②紙媒体による公報及び③読み取り専用光ディスクによる公報(インターネットを通じて発行する公報に掲載されている事項を記録した読み取り専用光ディスクを含む。)の三項目からなり、「特許庁保有のデータベース」の全てが「特許庁データ」に含まれるわけではないのである。具体的には、平成5年以前の電子データは含まれていない。即ち、平成5年以前の電子データは、行政財産たる国有財産のままであり、パトリスデータを意味する。従って、パトリス民営化は、行政財産たる国有財産の無断譲渡に該当することは明白である。結局、この平成10年3月26日付「特許庁データ販売事業の許可要領」(10特総第313号)により、この「特許庁データ」に含まれない「特許庁保有のデータベース」であるパトリスデータは、従来の行政財産のままであることになる。この点が「JAPIOの一部民営化」即ち「パトリスの民営化」の際にJPOが用いたトリック即ちごまかしの手口である。つまり、「特許庁保有のデータベース」からパトリスデータを除いたデータを「特許庁データ」のなかの一要素である上記「①「特許庁保有のデータベース」から特許庁が抽出したデータ」とし、パトリスデータを「特許庁データ」のなかに含めていないのが、JPOが用いたトリック即ちごまかしの手口である。このトリック即ちごまかしの手口がパトリス民営化の本質部分である。行政財産たる国有財産であるパトリスデータの無断譲渡という明白な国有財産法第18条第5項違反行為である。つまり、JPOは、パトリスデータを特許庁保有データから切り離すために、「特許庁データ」という新概念を創出したのである。即ち、平成9年頃に締結された荒井特許庁長官・和田JAPIO理事長間のパトリス譲渡に関する契約を実現するために、当時の荒井特許庁長官は、部下である当時の特許技監・総務部長・総務課長・特許情報課長等の特許庁職員にこのパトリス譲渡に関する指示を与え、平成10年3月26日にJPOは、この「特許庁データ販売事業の許可要領」(10特総第313号)を制定し、この許可要領の対象となる「特許庁データ」からパトリスデータを上記の如く巧妙に切り離し、行政財産たる国有財産であるパトリスの民営化を実現させたのである。トップである荒井特許庁長官の指示であるとはいえ、なぜ、部下である当時の特許技監・総務部長・総務課長・特許情報課長等の特許庁職員たちは、「この国有財産たるパトリスの無断譲渡」に加担してしまったのか?なぜ、部下である当時の特許技監・総務部長・総務課長・特許情報課長等の特許庁職員たちは、荒井特許庁長官を説得して「この国有財産たるパトリスの無断譲渡」を止めさせることができなかったのか、非常に悔やまれるとともに、不思議でならないのである。

         ところで、上記各使用許可要領は、公報データ等の特許庁保有データに著作権が存在していることを前提にこの著作権使用料を徴収するためのものであるが、もともと公報データ等の特許庁保有データに著作権が存在しているのであろうか?もともと特許庁は、公報データ等の特許庁保有データにおける著作権の存在を前提にして利用料を徴収すべきであろうか?そもそも我々ユーザーは、特許法・実用新案法・意匠法・商標法という産業財産権法に特許出願等の産業財産権を取得するための出願は特許庁に提出しなければならないと規定されているから、特許庁に願書等の出願書類を提出しているのである。即ち、特許庁は自己の努力の結果として出願を集めているのではなく産業財産権法に出願の特許庁への提出の義務付けの規定があるために100%漏れなく出願書類が特許庁に提出され、内閣の法律誠実執行義務(憲法73条1号前段)として、特許庁は出願の受付義務が生じ出願後の審査・審判や公報発行等の業務を行い得るのである。このような実態のなかで即ち法律上当然の結果として特許庁に集まる全出願書類やこの出願書類から派生して生ずる公報データ等の特許庁保有データに著作権が存在しているのだろうか?

         まず、著作権法第2条第1項第1号に著作物の定義として「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」旨規定されている。例えば、特許出願に関する公報データであれば、明細書や特許請求の範囲や図面の記載は、発明という技術的な「思想」を「創作的に表現したものであって、」「学術の範囲に属するもの」であるので、ほとんどすべての特許出願に関する公報データは著作物に該当することになる。従って、この著作権法第2条第1項第1号の定義によると、多くの公報データ等の特許庁保有データに著作権が存在しているようにもみえる。

         一方、著作権法第13条に「権利の目的とならない著作物」として次のように規定されている。

        「著作権法第13条 次の各号のいずれかに該当する著作物は、この章の規定による権利の目的となることができい。

        1. 一 憲法その他の法令
        2. 二 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。以下同じ。)又は地方独立行政法人(地方独立行政法人(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
        3. 三 裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの
        4. 四 前三号に掲げるものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの」

         加戸守行著「著作権法逐条講義六訂新版」(平成25年8月27日発行)138頁乃至141頁(以下、「著13条加戸講義」ともいう。)によると「本条は、法令・通達などその性質上国民に広く開放して利用されるべき著作物をこの法律による保護の対象外としたものであります。著作物は、著作物である限り、建前として保護を受けますけれども、特に公益的の見地から、国民に広く知らせ、かつ、自由に利用させるべき性質の著作物には、権利を認める結果としてその円滑な利用を阻害することとなるのを防ぐという観点から、著作者の権利を否定しております。「この章の規定による権利の目的となることができない」といいますのは、著作権だけでなく著作者人格権も否定する趣旨であります。」従って、著作物であっても、公益的な見地から国民に広く知らせ、かつ、自由に利用させるべき性質のものには著作権を認めない趣旨である。また、この第13条の解釈方針に関し、著13条加戸講義によると第1号の解釈について「それから、既に廃止された法令についても、同じ考え方で、法律としての効力を失っているとしても、本号に含めた趣旨解釈をいたします。このようになぜ広く読むかといいますと、法律というのは条理に従って拡張して解釈する場合と減少して解釈する場合と二通りありますが、拡大解釈は国民の権利を制限しない場合に限られ、国民の権利を制限する場合には拡張解釈はできないわけで、本号の場合は国の権利を制限して国民の権利を認める場合ですので、そういう場合に広く読んでよろしいということがいえようかと思います。」著作権法第13条各号をみると全て国等の統治主体に関与するもので、民間人や民間団体に関するものは存在しない。従って、上記記載は第1号に関するものであるが、著作権法第13条各号を拡大解釈することは「国の権利を制限して国民の権利を認める場合」に該当するので条理上好ましい解釈であることになる。

         著13条加戸講義によると、著作権法第13条第2号に関し、「本号は、告示・訓令・通達等、行政庁の意思を伝達する公文書であります。これには、通知とか、照会・回答のような行政実例とか、国、地方公共団体、独立行政法人又は地方独立行政法人がその機関名で取り交わす文書、あるいは国家機関がその権限行使として国民に知らすために出す文書のようなもの一切が含まれ、それらは権利の対象にならないということです。」とするなら、公文書である公報は、この第2号に該当し著作権の対象にはならないことになる。これに伴い、公報が作成・発行される過程における特許庁に提出後の出願書類も著作権の対象にはならないことになる。即ち、出願後の出願データや公報データは、この第2号に該当し、著作権の対象にはならないことになる。

         一方、著13条加戸講義によると、著作権法第13条第3号に関し、「本号は、裁判所の判決等、あるいは準司法手続を行う行政庁の決定等であります。「裁判に準ずる手続により行われるもの」といいますのは、例えば特許審判、海難審判あるいは行政不服審査というようなたぐいのものです。このようなものであれば、裁決又は決定という用語が用いられているものに限らず、審決・裁決等の用語が用いられているものをも当然含みます。そういう国民が広く読むことを期待されているもので、国等が著作権を専有するに適しないものについては、完全な自由利用を認めたものであります。」従って、公報データのなかでも審決公報データは、この第3号に該当し、著作権の対象にはならないことになる。尚、出願データや公報データは、この第3号の類推解釈に依り、この第3号に該当し、著作権の対象にはならないとも考え得る。ただ、いずれにしても、公報データは、著作権法第13条第2号又は第3号に該当し、著作権の対象にはならないことになる。

         さらに、著13条加戸講義によると、著作権法第13条第4号に関し、「本号は、法令・判決等前3号までの著作物の翻訳物及び編集物で、国、地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成したものということであります。これは、行政当局などが発行する法令集や判例集は自由利用にするという趣意であります。もちろん、民間ベースで判例集や法令集が作成されれば、それは著作権があります。同様に、外国法令等の翻訳物にしても、政府作成のものは権利が否定され、私人作成のものには権利が認められるというわけです。なお、第12条で「編集物」の中からデータベースを除いておりますので、本号には国、地方公共団体、独立行政法人や地方独立行政法人が作成した法令、判例等のデータベースは含まれないことにご注意ください。これは、法令等のデータベースは、現在行政庁の内部利用、執務上の参考のために作成されており一般に広く公開することを目的とするものでないこと、またその法令等の延長線上にあるものと見るには、付加価値があまりに大きいことを考えますと、自由利用とするにはむしろ行き過ぎと考えたものでございます。」従って、原則として、編集された公報は、この第4号に該当し、著作権の対象にはならないことになるが、第12条で「編集物」の中からデータベースを除いているので、公報データの編集物は、例外的にデータベースに関する著作権が発生するとも考えられる。

         しかし、上記の如く、第12条で編集物からデータベースを除く理由として、①法令等のデータベースは、現在行政庁の内部利用、執務上の参考のために作成されており一般に広く公開することを目的とするものでないこと、②その法令等の延長線上にあるものと見るには、付加価値があまりに大きいことを考えますと、自由利用とするにはむしろ行き過ぎと考えた、の2つの理由を挙げている。この理由を公報データについてみると、①公報データはもともと執務上の参考でなく公開することを目的として作成されている。また、平成2年12月以降の電子出願では出願人サイドが出願データを作成しており、実質上の公報データ作成者は出願人であること、②「付加価値があまりに大きいことを考えますと、自由利用とするにはむしろ行き過ぎ」と考えるよりも、付加価値が大きいからこそ自由利用のために国の著作権を認めるべきでない、というべきであって、最終的に、産業財産権公報データには国の著作権はないというべきである。即ち、産業財産権公報データは、著作権法第13条第4号に規定する編集物に該当し同法第12条の規定による編集物からデータベースを除いているので、データベースに関する著作権が発生するようにもみえるが、同法第12条の規定により編集物からデータベースを除いた趣旨には全くそぐわないので同法第12条第1項括弧書は適用されず、例外的に最終的には同法第13条第4号により著作権は発生しないというべきである。

         にもかかわらず、昭和61年著作権法改正によりデータベースに関する著作権が規定されて以降、特許庁は、一貫して公報データに著作権が存在することを前提にして、各使用許可要領を作成し続けている。即ち、昭和62年3月20日付「特許庁保有のデータベース等に係る著作権の使用許可要領」(62特総第318号)、平成4年12月25日付「CD-ROM公報販売に伴う特許庁保有の著作権の使用許可要領」(4特総第1992号)、平成7年7月3日付「商標情報データベースの一括販売に伴う特許庁保有の著作権の使用許可要領」(7特総第1260号)、平成10年3月26日付「特許庁データ販売事業の許可要領」(10特総第313号)、平成11年12月10日付「公報の紙媒体発行に要する特許庁保有の公報データの使用許可要領(11特総第1849号)」、平成12年2月付「平成10年3月までに発行されたCD-ROM公報データの利用条件の変更について」、平成27年2月27日付「特許庁データ販売事業の許可要領(10特総第313号)」廃止(20150220特許2)、平成27年3月1日付「公報の媒体発行に要する特許庁保有の公報データの使用許可要領」(20150220特許7)の各使用許可要領は全て、公報データや公報データベースに著作権が存在することを前提にして著作権使用料を徴収しようとしている。このように、公報データには著作権が存在しないというべきであるのにもかかわらず、特許庁は公報データの著作権を理由に使用許可要領を作成したのが、そもそもの誤りの原点である。知的財産権の一翼である産業財産権を担う特許庁が「公報や公報データに関する著作権は主張すべきではない」という当然の著作権法解釈がなぜできなかったのか、現時点でもなぜできないのか、不思議でならないのである。

    11. 9.株式会社パトリスの登記簿上のデータについて
      1. (1)株式会社パトリスの登記簿等における会社成立・解散に関する変遷
      2.  
           
        1. ・昭和58年3月1日、佐藤真住氏、ディー・エイチ・エル・クーリエ・エクスプレス有限会社設立
        2.  
        3. ・平成12年11月13日、特許情報サービス有限会社に商号変更
        4.  
        5. ・平成12年11月29日、有限会社特許情報サービスから株式会社特許情報サービスへ組織変更
        6.  
        7. ・平成12年11月30日、JAPIO理事会においてパトリス民営化の決議
        8.  
        9. ・平成12年12月20日、株式会社特許情報サービスから株式会社パトリスに商号を変更・登記(登記簿において会社成立の年月日は、平成12年11月29日と記載されている。)
        10.  
        11. ・平成13年2月21日、株式会社パトリス、会社成立の年月日を「平成12年11月29日」から「昭和58年3月1日」に修正。
        12.  
        13. ・平成13年4月1日 和田裕氏が株式会社パトリスの代表取締役に就任
        14.  
        15. ・平成13年4月18日、株式会社パトリス、日刊工業新聞において、会社成立の年月日を「2000年(平成12年)11月29日」と発表した。
        16.  
        17. ・平成17年7月13日、加根魯澄夫氏が株式会社パトリスの代表取締役に就任
        18.  
        19. ・平成17年10月21日、和田裕氏が株式会社パトリスの代表取締役を退任
        20.  
        21. ・平成21年7月22日午後3時30分、東京地方裁判所の再生手続開始
        22.  
        23. ・平成21年12月29日、東京地方裁判所の再生計画認可決定確定
        24.  
        25. ・平成25年1月7日、東京地方裁判所の再生手続終結
        26.  
        27. ・平成26年3月31日、株式会社パトリス、株主総会の決議により解散
        28.  
        29. ・平成26年3月31日、株式会社パトリスから株式会社新川情報に商号変更
        30.  
        31. ・平成26年4月14日、加根魯澄夫氏が株式会社新川情報の代表取締役から代表清算人に登記
        32.  
        33. ・平成27年10月2日、株式会社新川情報、東京地方裁判所の特別清算終結の決定確定
        34.  
      3. (2)株式会社パトリスの登記簿等における発行済株式に関する変遷
        1. ・平成13年2月2日、発行済株式の総数800株に変更登記
        2. ・平成13年2月9日、発行済株式の総数2600株に変更登記
        3. ・平成13年2月19日、発行済株式の総数1万400株に変更登記
        4. ・平成13年3月6日、発行済株式の総数3万6400株に変更登記
        5. ・平成18年8月10日、発行済株式の総数3640株に変更登記
        6. ・平成22年4月1日、発行済株式の総数4万3640株に変更登記
      4. (3)株式会社パトリスの登記簿等における資本金に関する変遷
        1. ・平成13年2月2日、資本金の額を金4000万円に変更登記
        2. ・平成13年2月9日、資本金の額を金1億3000万円に変更登記
        3. ・平成13年2月19日、資本金の額を金5億2000万円に変更登記
        4. ・平成13年3月6日、資本金の額を金18億2000万円に変更登記
        5. ・平成18年8月10日、資本金の額を金1億8200万円に変更登記
        6. ・平成22年4月1日、資本金の額を金0円に変更登記
        7. ・平成22年4月1日、資本金の額を金1億円に変更登記
      5. (4)株式会社パトリスにおける代表取締役と監査役の略歴
      6.  上述した株式会社パトリスの経緯において、その前身たるディー・エイチ・エル・クーリエ・エクスプレス有限会社を昭和58年3月1日に設立した佐藤真住氏は、通産省入省の事務官キャリアで入省年次は、和田裕氏と同じ昭和28年である。さらに、平成12年11月29日に株式会社特許情報サービスに組織変更した際の監査役である伊従寛氏は、公正取引委員会の事務局に入局し、入局年次は、和田裕氏と同じ昭和28年である。

         上記和田裕氏、佐藤真住氏及び伊従寛氏の三名の略歴は、概ね次の通りである。

        1. ・和田裕氏の略歴
          1. 昭和7年生まれ
          2. 昭和28年 通産省入省、ジュネーブ代表部参事官、特許庁第一部長、特許庁総務部長、防衛庁装備局長、海外経済協力基金理事歴任の後、シャープ株式会社海外事業本部長、専務取締役、代表取締役副社長を経て、
          3. 平成9年10月1日 財団法人日本特許情報機構(JAPIO)理事長に就任
          4. 平成13年3月31日 財団法人日本特許情報機構(JAPIO)理事長を退任
          5. 平成13年4月1日 株式会社パトリス取締役社長に就任
        2. ・佐藤真住氏の略歴
          1. 昭和7年生まれ
          2. 昭和28年 通産省入省
          3. 昭和52年 科学技術庁原子力安全局原子力安全課長で退官
          4. その後、(株)神戸製作所取締役、常務取締役、専務取締役、取締役社長(代表取締役副社長)を経て、平成11年6月神戸製鋼所代表取締役副社長を退任、顧問役(技術全般の支援業務を委任)、キメック(株)代表取締役社長に就任。
        3. ・伊従寛氏の略歴
          1. 昭和2年11月28日生まれ
          2. 昭和28年3月 東京大学法学部卒業
          3. 昭和28年4月 公正取引委員会事務局入局
          4. 昭和41年4月 取引部京浜表示課長、経済部国際課長、取引部取引課長、経済部調整課長、官房総務課長、官房審議官、経済部長、審査部長、事務局長を経て昭和60年9月辞職
          5. 昭和60年11月 財団法人公正取引協会常務理事
          6. 昭和61年11月 辞職
          7. 昭和61年11月 公正取引委員会委員
          8. 平成3年11月 任期満了 その後、三菱総合研究所顧問等を経て
          9. 平成12年12月29日 (株)特許情報サービス 監査役に就任
      7. (5)私見
      8.  上記した株式会社パトリスの社長等の略歴をみるならば、明らかに、昭和28年入省・入局という同期の事務官キャリアたちが殆ど内輪だけで、譲渡先たる株式会社パトリスを作り出していることになる。即ち、これら事務官キャリアたちの天下り先を確保するために、株式会社パトリスを作ったともいえるのである。

         上記会社成立の年月日を登記簿と異なる年月日とするなど、登記簿を閲覧すればわかるようなあからさまな嘘を、なぜ、我々知的財産業界の民間人たちは見破ることができなかったのか?登記簿によると、平成13年2月乃至3月の1,2カ月で資本金が約18億円増加し、発行済株式も約3万6千株増加しているが、このように、僅か1,2カ月の間に日本知的財産協会の主要な大企業の知財担当者は、なぜ、総額約18億円の資金を出資してしまったのか?上記登記簿の情報によると、平成22年4月1日に100%減資する形で資本金額が0円になっているが、このように上記総額約18億円の資金が全額消失している。平成13年当初に総額約18億円の資金を集めておきながら、平成22年に全額消失させるという明らかに詐欺まがいの株式会社パトリスの成立そして倒産という実態に直面して、これらの日本知的財産協会の主要な大企業の知財担当者は、株主に対していかなる説明をしたのか?後日、株主から株主代表訴訟が提起されてもおかしくないくらいである。

         また、上記株式会社パトリスの成立そして倒産の経緯と特許庁による特許庁保有データの使用許可要領の改正史とが符合していることがよくわかる。即ち、特許庁は、平成5年1月にCDROM公報の発行を開始したので、技術的には日本におけるインターネット元年といわれる平成7年頃から平成11年の特許電子図書館(IPDL)の開始までには既に特許庁保有データをインターネット公報で発行できたはずだし、インターネットを介して民間事業者にバルクの状態で提供できたはずである。即ち、特許庁は平成27年になり全公報をインターネットで発行するようになり、特許庁保有データをインターネットを介して民間事業者にバルクの状態で提供することにしたが、技術的には平成9年乃至平成11年頃には、平成27年に開始した全公報のインターネット発行並びに民間事業者に対するバルク状態での提供が可能であったはずである。より具体的には、平成9年乃至平成11年頃に当時有償で提供されていたパトリス(PATOLIS)のインターネット版であるPATOLIS-WEBをそのまま無償開放すれば、この無償開放されたPATOLIS-WEBがそのまま日本の特許電子図書館(IPDL)になりえたはずである。

         にもかかわらず、上記平成9年頃になされた荒井特許庁長官と和田JAPIO理事長間のPATOLIS譲渡に関する契約により、従来から存在するパトリス(PATOLIS)に加え、このパトリス(PATOLIS)と殆ど同じ検索システムであるIPDLを創設し特許電子図書館としてしまったのである。この結果、日本の産業財産権情報提供システムとして、無償の特許電子図書館(IPDL)と有償のパトリス(PATOLIS)とが並立することになり、各年度における特許庁の無償の特許電子図書館(IPDL)の機能強化により、有償のパトリス(PATOLIS)が致命的打撃を受けることになり、平成26年に株式会社パトリスが解散せざるをえなくなったのである。

         上記経緯によると、本来、技術的には平成9年乃至平成11年頃には、平成27年に開始した全公報のインターネット発行並びに民間事業者に対するバルク状態での提供が可能であったにもかかわらず、平成9年頃になされた荒井特許庁長官と和田JAPIO理事長間のPATOLIS譲渡に関する契約により、約20年前後、産業財産権情報提供システムの発展が停滞していたことになる。まるで、特許庁は、平成26年の株式会社パトリスの解散を待って、平成27年に全公報のインターネット発行並びに民間事業者に対するバルク状態での提供を開始したようにみえる。即ち、特許庁は、株式会社パトリスの延命を図るために全公報のインターネット発行並びに民間事業者に対するバルク状態での提供の開始を意図的に遅らせたのである。この特許庁の産業財産権情報提供政策の在り方は猛省されるべきであり、我々日本知的財産業界の民間人にとっても、なぜ、本来あるべき産業財産権情報提供政策を提言できなかったのか、この本質的理由はどこにあるのか、真剣に考えなければならない。

    12. 10.私見
    13.  結局、産業財産権情報提供システムの在り方という特許庁の最重要政策を特許庁内の庁議等の合議で決めることなく、即ち、特許庁内の全職員が参加する形で各職員の経験や業務等に基づく意見を集約する過程を採ることなく、さらには、民間各業界の意見を聞くことなく、長官とJAPIO理事長間の契約等、事務官キャリア同士の内輪だけで決定してしまったことが誤りの原点である。せっかく、昭和46年のJAPATIC設立から始まった電子データの蓄積及び昭和59年からのペーパーレス計画の始動さらにこのペーパーレス計画に基づいて平成2年12月に世界で初めて電子出願が始まったにもかかわらず、この平成13年のパトリス民営化でペーパーレス計画が台無しになってしまったのである。

       平成7年が日本においてインターネット元年とされ、その後、電子政府・電子地方公共団体構想が始まったが、本来この電子政府・電子地方公共団体構想よりも10年乃至20年以上早く電子化に着手した特許庁がこの電子政府・電子地方公共団体構想の先頭をきり、自己の経験をこの電子政府・電子地方公共団体構想に活かすべきだったのに、この平成13年のパトリス民営化で電子化計画即ちペーパーレス計画を台無しにするという全く逆のことをしてしまった。なぜ、本来すべきこととは逆のこと、しかも国有財産の無断譲渡という犯罪行為をしてしまったのか、このための総括は今後欠かすことはできない。

       小生が思うには、次の5点を指摘することができる。

      1. ①JAPATIC・JAPIOの組織形態について
      2.  

         昭和46年のJAPATIC設立を財団法人という民間出資を入れる形でしてしまったこと、即ち、昭和45年改正による出願公開制度導入による公開公報の氾濫を防止するための新規性調査機関の設立の国会附帯決議を出発点とする以上、新規性調査機関は特許庁内部に作るか、又は外郭団体を作るとしても公平性担保のため民間出資を入れない特殊法人が好ましかったように思う。

      3. ②JAPATIC設立とペーパーレス計画との関係について
      4.  昭和59年のペーパーレス計画始動の際、このペーパーレス計画と昭和46年のJAPATIC設立との関係を明確にしなかったこと、即ち、昭和46年のJAPATIC設立も昭和59年のペーパーレス計画始動も電子化という点では共通する。つまり、昭和46年のJAPATIC設立時は公開公報の電子化であり、昭和59年のペーパーレス計画始動時は出願情報の電子化であり、電子化という点では共通するにもかかわらず、これらの電子化情報の統一化・総合化ができず、公開公報の電子化の結果できたパトリスデータを昭和59年のペーパーレス計画による出願情報の電子化の結果できた出願データと区別したままの取扱いを続けたことが、パトリスデータの民営化につながってしまったように思う。昭和60年にJAPATICと社団法人発明協会の一部とが統合する形でJAPIOが設立されたが、この際にも、公開公報の電子化の結果できたパトリスデータを昭和59年のペーパーレス計画による出願情報の電子化の結果できた出願データと区別したままの取扱いを続けてしまったこと。尚、この昭和60年に財団法人日本工業所有権協力センター(IPCC)が設立されているが、出願情報の電子化は電子化システムの客体的要素であるのに対し、電子化システムの主体的要素であるIPCCの施策により審査官に加え「サーチャー」の概念を作ってしまったことが本当に正しかったかは再考すべきである。尚、上記5(2)の人事改革において、小生は、サーチャーから審査官・審査官補への移行を提示している。

      5. ③公報データ等の特許庁保有データの著作権の在り方について
      6.  公報データ等の特許庁保有データの著作権の在り方を正確に定めきれなかったこと、即ち、特許庁保有データに関し特許庁は著作権を主張すべきではないにもかかわらず、著作権を主張し、平成10年における荒井特許庁長官の制定に係るこの著作権の使用許可要領の定めにおいて特許庁保有データからパトリスデータを切り離し「特許庁データ」の新概念を創出してしまったこと。この平成10年3月26日付「特許庁データ販売事業の許可要領」(10特総第313号)による「特許庁データ」概念の作出行為は、行政機関たる特許庁による国民を錯誤に陥れる「国民を欺く行為」であり、弁解の余地はない。なぜ、平成10年3月26日付「特許庁データ販売事業の許可要領」(10特総第313号)により、特許庁は国民を欺く行為に出たのか?なぜ、ここまでして、パトリスの民営化をしなければならなかったのか?理解に苦しむ行為である。

      7. ④日本特許庁の組織・人事・業務について
      8.  特許庁職員が、出願受付・審査・審判・登録・公報発行の各業務に分業化されてしまい、これらの業務を総合的にリンクさせて産業発達に寄与するという最終目的を実質的に達成するためのリーダーシップが欠落していること、即ち、特許庁の各職員が、出願受付・審査・審判・登録・公報発行の各業務に分業化されてしまい、本来あるべき産業財産権情報提供システムを考えるための意見集約のための会議体を設けずに、長官と元総務部長という事務官キャリアの決め事に従って業務を遂行してしまったこと。

      9. ⑤日本知的財産業界における公的発言能力について
      10.  日本知的財産業界における民間企業の知財担当者が、新技術の出願の権利化業務・ライセンス締結業務・管理業務の各業務に分業化されてしまい、これらの業務を総合的にリンクさせて攻めと守りの知財経営という最終目的を実質的に達成するためのリーダーシップが欠落していること、即ち、日々の届出処理や管理業務やライセンス業務に忙殺されてしまい、日本における産業財産権情報提供システムはいかにあるべきか等の公的発言能力が不足していること。

         これらの総括のために最低限必要な情報は、本書の記載及び添付資料に十分現れていると確信しております。今後、本書等の記載を参考にして、日本及び世界の産業財産権情報提供システムがより良い方向に改善され、ユーザーフレンドリーさらにはベストフレンドリーなシステムへの改善を望むばかりです。

    14. 11.商標出願PPAPの権利化進捗状況
      1. (1)出願人:ベストライセンス株式会社の日本商標出願について
      2.  
           
        1. ①平成28年10月5日 商標出願(国際分類第9,16,28、35,39、41,42,45類:計8区分)
        2.  
        3. ②平成28年11月15日 商標出願(国際分類第15、38類:計2区分)
        4.  
        5. ③平成28年11月28日 商標出願(国際分類第1~45類:計45区分)
        6.  
          

        上記3件の商標出願は、出願却下されているが、却下前に出願分割をし、出願分割に係る新たな商標出願が現在も継続中。

      3. (2)出願人:ベストライセンス株式会社の海外商標出願について
        1. ・平成29年3月~5月 世界145カ国・地域(マドプロ加盟国142カ国、台湾、香港、マカオ)(国及び地域単位でカウント。日本含む。)に出願済(国際分類第1~45類:計45区分)(尚、台湾、香港、マカオの3地域においては国際分類第9,15,16,28,35,38,39,41,42,45類:計10区分のみ)
        2. ・平成30年1月 マカオで商標権付与の通知
      4. (3)出願人:エイベックス株式会社の日本商標出願について
        1. ①平成28年10月14日 商標出願(国際分類第3,9,14、16,18,20,21,24,25,26,28,30,32,43類:計14区分)
        2.  
            ・平成29年6月9日 設定登録により商標権発生
           
            ・平成29年7月11日 ベストライセンス株式会社、商標登録異議申立する。
           
            ・平成29年12月、特許庁審判官 申立手数料不納を理由に上記商標登録異議申立に関する却下決定をする。
           
            ・平成30年2月以降 ベストライセンス株式会社、エイベックス株式会社のPPAP商標の無効審判請求予定。
        3. ②平成28年12月28日 商標出願(国際分類第41類)
        4. ・平成30年2月28日 登録査定

      5. (4)出願人:エイベックス株式会社の海外商標出願について
      6.  

        ・平成29年4月頃、米国、イギリス、フランス、ロシア、韓国、台湾に出願済

    15. 12.日本商標法における先願主義等の登録要件
    16.  複数の商標出願において商標「PPAP」及び指定商品(指定役務)が重複する場合の取扱い

      1. (1)原則――出願日が最先の出願人に商標権を付与
      2. (2)例外――使用意思がない場合、他人の未登録周知商標と同一・類似する場合、不正の目的を有している場合、出所混同を生じる場合、又は、公序良俗に反する場合、商標権は付与されず、拒絶査定がなされる。
      3. (3)論点
        1. ➀日本において、「PPAP」が周知になっているか? 「PPAP」が周知になっているとした場合、周知になった年月日は具体的にいつか? 周知商標主は具体的に誰か? 具体的に、どの指定商品(指定役務)に関連して商標「PPAP」が周知となっているか?
        2. ②日本において、ベストライセンス株式会社の日本商標出願の出願日である平成28年10月5日に「PPAP」が周知になっているか?
        3. ③日本において、エイベックス株式会社の日本商標出願の出願日である平成28年10月14日に「PPAP」が周知になっているか? エイベックス株式会社の2番目の日本商標出願の出願日である平成28年12月28日に「PPAP」が周知になっているか?周知になっているとした場合、周知商標主は具体的に誰か? もし、周知商標主がピコ太郎さんだとした場合、出願人:エイベックス株式会社と周知商標主:ピコ太郎さんとの異同関係は、いかなる手続によりいかに判断されるべきか?
        4. ④日本において、ベストライセンス株式会社の日本商標出願に係る商標「PPAP」に関し、使用意思は認められるか? この結論は、各指定商品(指定役務)毎に異なるか?
        5. ⑤日本において、「PPAP」が周知になっているとした場合、ベストライセンス株式会社の日本商標出願に係る商標「PPAP」に関し、不正の目的をもって使用するものといえるか? この結論は、各指定商品(指定役務)毎に異なるか?
        6. ⑥日本において、ベストライセンス株式会社の日本商標出願に係る商標「PPAP」に関し、いわゆる出所混同が生ずるおそれがあるか?
        7. ⑦日本において、ベストライセンス株式会社の日本商標出願に係る商標「PPAP」に関し、公序良俗に反する商標といえるか? この結論は、各指定商品(指定役務)毎に異なるか?
        8. ⑧日本において、最終的に、重複する指定商品(指定役務)において商標「PPAP」に関し、ベストライセンス株式会社とエイベックス株式会社のどちらに商標権が付与されるべきか? この結論は、各指定商品(指定役務)毎に異なるか?
        9. ⑨海外において、商標「PPAP」は、周知になっているか? 周知になっているとした場合、周知になった年月日は具体的にいつか? 周知商標主は具体的に誰か? 具体的に、どの指定商品(指定役務)に関連して商標「PPAP」が周知となっているか? 海外の商標管轄官庁や裁判所において周知性の判断は、いかになされるか?
        10. ⑩海外において、商標「PPAP」は、商標登録可能か? 具体的には、上記①乃至⑧の状況が海外の商標管轄官庁や裁判所の判断にいかなる影響を与えるか?
      4. (4)私見
        1. ①上記論点(3)①について
        2.  周知商標とは、何人かの業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標をいう(商4条1項10号)。商標「PPAP」は、ピコ太郎さんが、平成28年8月25日にユーチューブにおいて公開し、同年9月中旬に、ジャスティン・ビーバーが「お気に入り動画だ」と推薦したことで世界的な大ヒットになったようである。現時点(平成30年2月6日)で主にインターネット等の通信関連分野では周知になっているように感じられる。具体的に、周知になった年月日は、明確に特定はできないが、日本国内においては平成29年1月上旬から平成29年1月中旬までの間の年月日であるように思う。周知商標主はピコ太郎さんだと思う。主な理由は、次の3つ、即ち、条理上の理由、バッシングの発生に関する理由及びエイベックスの商標出願の審査経過に関する理由の3つの理由である。尚、日本商標法において他人の未登録周知商標と同一・類似するとの出願拒絶理由や登録無効理由を構成するためには、出願時と査定時の両方の時点において周知であることを要する。

           
             
          1. (条理上の理由)
          2.  

             周知商標であるか否かは、事実問題であって法律問題ではない。平成28年8月25日に公開され、いわゆる公知になり、2カ月以内に周知になることは条理上考え難い。1人の有名アーティストがツイートしたからといって即、周知になるものでもない。1人の有名アーティストがツイートしたことが注目を浴びる発端になっただけであり、その後、注目されはじめて1、2カ月以内で周知になることは条理上考え難い。

             
          3. (バッシング発生に関する理由)
          4.  

             当社がPPAPについて商標出願し、いわゆるPPAP商標出願に関するバッシングという形で話題になったのが、平成29年1月末日頃から2月初旬頃である。当社(ベストライセンス株式会社)のPPAP商標の国内出願日が平成28年10月5日で出願公開日が同年10月25日である。即ち、平成28年10月25日から平成29年1月中旬頃までは当社の商標出願「PPAP」が既に公開されていたにもかかわらず、平成29年1月中旬頃までは一切注目されることなく即ち商標バッシングのような事情は一切起こっていなかった。しかし、平成29年1月末日頃から2月初旬頃になり、当社のPPAP商標出願に関するバッシングという形で話題になったものである。商標が周知になり、この結果、多くの人に注目されるようになり、当社代表の小生に対するバッシング発生という因果の時間的流れを前提にすると、商標PPAPが周知になったのは、平成29年1月上旬から平成29年1月中旬までの間の年月日であるように思う。

             
          5. (エイベックスの商標出願の審査経過に関する理由)
          6.  

             商標PPAPに関するエイベックスの商標出願(出願日:平成28年10月14日、登録査定日:平成29年5月25日)の審査経過において、いわゆる未登録周知商標に関する商標法第4条第1項第10号に関する拒絶理由を通知していない。PPAPの周知商標主がピコ太郎さんだとした場合、出願人:エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社と周知商標主:ピコ太郎さんとは、同一でないので、商標法第4条第1項第10号に関する拒絶理由の通知がなされるべきである。この担当商標審査官の起案内容を善解すると即ち担当商標審査官の起案内容を正しいと判断すると、エイベックスの商標出願の登録査定日:平成29年5月25日に商標PPAPが周知になっていると仮定すると、エイベックスの商標出願の出願日:平成28年10月14日には未だ商標PPAPは周知になっていないと判断していると考えられる。とするなら、エイベックスの商標出願の出願日:平成28年10月14日よりも9日という形で1週間以上早い当社のPPAP商標の出願日:平成28年10月5日には周知にはなっていないと考えるのが合理的である。さらに同様に、商標PPAPに関するエイベックスの2件目の商標出願(出願日:平成28年12月28日、登録査定日:平成30年2月28日)の審査経過において、いわゆる未登録周知商標に関する商標法第4条第1項第10号に関する拒絶理由を通知していない。この担当商標審査官の起案内容を善解すると即ち担当商標審査官の起案内容を正しいと判断すると、エイベックスの商標出願の登録査定日:平成30年2月28日に商標PPAPが周知になっていると仮定すると、エイベックスの2件目の商標出願の出願日:平成28年12月28日には未だ商標PPAPは周知になっていないと判断していると考えられる。

             
           

           上記した3つの理由により、商標PPAPが周知になった年月日は、明確に特定はできないが、日本国内においては平成29年1月上旬から平成29年1月中旬までの間の年月日であるように思う。そして、周知商標主はピコ太郎さんだと思う。現時点(平成30年2月6日)で主にインターネット等の通信関連分野の商品・役務との関連で周知になっているように感じられる。

        3. ②上記論点(3)②について
        4.  上記①に記載した如く、商標PPAPが周知になった年月日は、明確に特定はできないが、日本国内においては平成29年1月上旬から平成29年1月中旬までの間の年月日であるので、当社(ベストライセンス株式会社)の商標出願日である平成28年10月5日には、商標PPAPは周知になっていない。尚、当社の2番目のPPAP商標出願の出願日:平成28年11月15日及び当社の3番目のPPAP商標出願の出願日:平成28年11月28日においても、商標PPAPは周知になっていない。

        5. ③上記論点(3)③について
        6.  上記①に記載した如く、商標PPAPが周知になった年月日は、明確に特定はできないが、日本国内においては平成29年1月上旬から平成29年1月中旬までの間の年月日であるので、エイベックス株式会社の日本商標出願の出願日である平成28年10月14日には、商標PPAPは周知になっていない。同様に、エイベックス株式会社の2件目の日本商標出願の出願日である平成28年12月28日には、商標PPAPは周知になっていない。仮に、商標PPAPは周知になっていると仮定し、周知商標主がピコ太郎さんだとした場合、出願人:エイベックス株式会社と周知商標主:ピコ太郎さんとの異同関係は、出願人:エイベックス株式会社の2件目のPPAPの出願の審査段階において審査官が未登録周知商標に関する拒絶理由(商4条1項10号)を通知し、出願人からの意見書や上申書の提出内容により、両者間の契約関係の有無などを確認することにより、判断されるべきである。

        7. ④上記論点(3)④について
        8.  日本商標法は、権利の法的安定性等を考慮し、商標の使用事実の有無にかかわらず、所定の登録要件さえ満たせば商標権を付与する登録主義を採用しているが、商標は使用されてこそ、その機能を発揮し、業務上の信用が化体する。従って、将来的にも使用されない商標では、業務上の信用が化体せず、保護価値もない。そこで、法は、自己の業務に係る商品又は役務について使用する商標であること、即ち、少なくとも使用意思があることを登録要件とすることとした。

           冒頭1のベストライセンス株式会社の目的及び手段(事業内容)に記載した如く、当社は公的な目的として「産業財産権の権利処理システムを確立する。」ことを目指しているとともに、私的な目的として「産業財産権の権利処理システム構築に必要な技術を研究・開発するとともに、産業財産権に関する権利処理ビジネスを通して利益を追求する。」ことを目指している。このための手段・事業のひとつとして、商標出願業務を遂行しているが、この商標出願に関しては、常に①当社使用中又は当社使用の可能性、②他社へのライセンスの可能性及び③ストック商標の確保の3点を念頭に置いている。これら3点を念頭に置きつつ魅力ある商標と感じられるものを対象にして商標出願している。当社による上記PPAP商標出願についてもこれら3点を念頭に置きつつ出願している。従って、使用意思は問題なく認められる。当社においては、この結論は、各指定商品(指定役務)毎に異なることはない。

        9. ⑤上記論点(3)⑤について
        10.  日本商標法第4条第1項第19号は、所定の周知商標と同一又は類似の商標であって不正の目的をもって使用をするものを登録要件としている。

           逐条解説第20版1416乃至1417頁によると、「「不正の目的日本商標法第4条第1項第19号は、所定の周知商標と同一又は類似の商標であって不正の目的をもって使用をするものを登録要件としている。」の定義である「不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的」とは、図利目的・加害目的をはじめとして取引上の信義則に反するような目的のことをいう。その意義は、不正競争防止法19条1項2号でいう「不正の目的」と同じである。ここで「不正競争の目的」とせず「不正の目的」としたのは、取引上の競争関係を有しない者による出願であっても、信義則に反するような不正の目的による出願については商標登録すべきではないからである。

          「不正の目的」があるとして、本号が適用される具体的な想定例は次のとおりである。

          1. (1)外国において周知な他人の商標と同一又は類似の商標について、我が国において登録されていないことを貴貨として、高額で買い取らせたり、外国の権利者の国内参入を阻止したり、国内代理店契約を強制したりする等の目的で、先取り的に出願した場合。
          2. (2)日本国内で商品・役務の分野を問わず全国的に知られているいわゆる著名商標と同一又は類似の商標について、出所の混同のおそれがなくても出所表示機能を稀釈化させたり、その名声を棄損させる目的をもって出願した場合。
          3. (3)その他日本国内又は外国で周知な商標について信義則に反する不正の目的で出願した場合。」
          4. 旨記載されている。

           これを当社が出願した商標PPAPについてみてみると、上述した如く、当社は、公的な目的として「産業財産権の権利処理システムを確立する。」ことを目指しているとともに、私的な目的として「産業財産権の権利処理システム構築に必要な技術を研究・開発するとともに、産業財産権に関する権利処理ビジネスを通して利益を追求する。」ことを目指している。このための手段・事業のひとつとして、商標出願業務を遂行しているが、この商標出願に関しては、常に①自社使用中又は自社使用の可能性、②他社へのライセンスの可能性及び③ストック商標の確保の3点を念頭に置いている。これら3点を念頭に置きつつ魅力ある商標と感じられるものを対象にして商標出願している。当社による上記PPAP商標出願についてもこれら3点を念頭に置きつつ出願している。従って、上記「不正の目的」には該当しない。

           尚、日本商標法においてこの登録要件に係る出願拒絶理由や登録無効理由を構成するためには、出願時と査定時の両方の時点において周知であることを要する。しかし、上述した如く、当社のPPAPの商標出願の出願時点で商標PPAPが周知でないことは明らかであるので、当該出願拒絶理由には該当しないことは明らかである。

        11. ⑥上記論点(3)⑥について
        12.  日本商標法第4条第1項第15号は、他人の業務に係る商品又は役務と混同が生ずるおそれがある商標を登録要件として規定している。本号は、同条同項第10号乃至第14号の一般的出所混同に加え、類似範囲を超えて生じ得る個別具体的出所混同を防止しようとする。この規定趣旨により、他人の先行商標は周知又は著名であることを要するというべきである。

           尚、この登録要件が出願拒絶理由や登録無効理由を構成するためには、出願時と査定時の両方の時点において本号に該当することを要する。しかし、上述した如く、当社のPPAPの商標出願の出願時点で商標PPAPが周知でないことは明らかであるので、当該出願拒絶理由には該当しないことは明らかである。

        13. ⑦上記論点(3)⑦について
        14.  上述した如く、当社は、公的な目的として「産業財産権の権利処理システムを確立する。」ことを目指しているとともに、私的な目的として「産業財産権の権利処理システム構築に必要な技術を研究・開発するとともに、産業財産権に関する権利処理ビジネスを通して利益を追求する。」ことを目指している。このための手段・事業のひとつとして、商標出願業務を遂行しているが、この商標出願に関しては、常に①自社使用中又は自社使用の可能性、②他社へのライセンスの可能性及び③ストック商標の確保の3点を念頭に置いている。これら3点を念頭に置きつつ魅力ある商標と感じられるものを対象にして商標出願している。当社による上記PPAP商標出願についてもこれら3点を念頭に置きつつ出願している。

           具体的に、上記目的をもって、上記「2.各知的財産権の権利処理システムの現状・実態・基本的論点」や「3.産業財産権の権利処理システムの現状及び問題点」を念頭に置きつつ、事業活動・研究開発活動をしているなかで、上記した「4.産業財産権の権利処理システムに関する制度設計方針の在り方」や「5.世界のなかの日本における大特許庁構想及び業界改革」等のアイデアが生まれ、本書において提示するに至っているのである。これらの当社の事業活動及び商標出願行動は、健全なビジネス活動の範疇であって決して公序良俗に反するものではない。よく、小生や当社の多出願に着目し、商標ゴロだとかトローラーだとかブローカーだとかの用語で否定的に捉える識者を拝見するが、小生や当社は、上記目的を掲げ健全な事業活動をしているのであり、単なるトローラーで終わることなく、社会に貢献するベストトローラーでありたいと願っている。小生や当社のトローラー的出願により、「新聞やインターネット等に掲載・公開されるよりも早く出願しなければならない。」旨のインセンティブが多くの出願人に働けば、日本商標法における大原則たる先願主義を遵守する姿勢が高まることになり、極めて肯定的な要素を持っていることを認識していただきたい。逆に、小生や当社の商標出願がトローラー的だとの理由だけで公序良俗に反するような判断がなされる実務が確立してしまうと、「たとえ出願前に商標を公開しても、その後それから出願してもよい。」旨の出願遅延を許容するインセンティブが多くの出願人に働くようになり、出願活動の活発化と逆の否定的なインセンティブが働くようになり、必ずしも好ましいものでもない。

           尚、平成28年5月17日付で日本特許庁HPにおいて「自らの商標を他人に商標登録出願されている皆様へ(ご注意)」と題して、小生及び当社の多出願を暗に指しながら概ね次のような指摘がなされている。

           「最近、一部の出願人の方から他人の商標の先取りとなるような出願などの商標登録出願が大量に行われています。しかも、これらのほとんどが出願手数料の支払いのない手続上の瑕疵のある出願となっています。特許庁では、このような出願については、出願の日から一定の期間は要するものの、出願の却下処分を行っています。」(以下、「第一指摘」ともいう。)

           「また、仮に出願手数料の支払いがあった場合でも、出願された商標が、出願人の業務に係る商品・役務について使用するものでない場合(商標法第3条第1項柱書)や、他人の著名な商標の先取りとなるような出願や第三者の公益的なマークの出願である等の場合(同法第4条第1項各号)には、商標登録されることはありません。したがいまして、仮にご自身の商標について、このような出願が他人からなされていたとしても、ご自身の商標登録を断念する等の対応をされることのないようご注意ください。」(以下、「第二指摘」ともいう。)

           さらに、平成29年6月21日付で日本特許庁HPにおいて「手続上の瑕疵のある出願の後願となる商標登録出願の審査について(お知らせ)」と題して、小生及び当社の多出願を暗に指しながら概ね次のような指摘がなされている。

           上記第一指摘と同様の指摘後、「特許庁では、従来から、手続上の瑕疵のある出願の後願となる商標登録出願について、当該後願となる商標登録出願に手続上の瑕疵がないことが確認できれば、先願となる手続上の瑕疵のある出願が却下されるのを待つことなく、実体審査を開始する運用を行ってきています。その実体審査においては、先願となる手続上の瑕疵のある出願が却下されるまでの間に、いったん拒絶理由を通知する場合がありますが、審査官が当該先願となる出願の却下を確認次第、登録査定を行います(他の拒絶理由等がない場合に限る)。」(以下、「第三指摘」ともいう。)

           「また、今後、上記の拒絶理由を通知する場合においては、拒絶理由となる先願が手続上の瑕疵のある出願に該当し、当該先願となる出願の却下を確認次第、登録査定を行う旨を、拒絶理由通知に明示的に記載するよう、運用を変更します。」(以下、「第四指摘」ともいう。)その後、上記第二指摘と同様の指摘がなされている。

           まず、上記第一指摘について、一部の出願人に係る商標出願に関し手数料の支払いがない旨の指摘は、好ましいものではない。出願手数料の支払いの有無は出願人の営業秘密又はプライバシーに関する事項として原則として特許庁は口外すべきではない。また、出願手数料の支払いのない出願を「手続上の瑕疵のある出願」と称しているが、出願手数料の支払いは出願日認定要件ではないので(商5条の2)、出願日の特定及び出願内容の特定の点では全く問題なく決して客体の特定に関し「瑕疵のある出願」でないことは明確に認識していただきたい。これに関し、上記第二指摘について、「このような出願が他人からなされていたとしても、ご自身の商標登録を断念する等の対応をされることのないようご注意ください。」の指摘は、商標法上正確性を欠く指摘である。即ち、小生及び当社は、上述した目的で出願等をしているが、原出願の出願日の利益を保持するために原則として出願手数料の支払いのない出願が却下される前に出願分割に係る新たな商標出願をしている。従って、出願分割の遡及効により、たとえ先願が却下されてもこの先願から派生する出願分割に係る新たな商標出願が存在する場合は、第三者は同一又は類似の商標に関し商標登録を断念せざるをえないのである。従って、上記第二指摘は、小生及び当社の分割出願に一切触れておらず、第三者に誤ったメッセージを与えるとともに、小生及び当社という特定の出願人を非難しつつ第三者を鼓舞する姿勢を採っている点で公平性及び公正性を欠く指摘である。この点は、日本商標法が登録主義及び先願主義を採用していることからもいえることである。即ち、上記特許庁の指摘のなかでは、日本商標法が原則として同一又は類似の商標に関し競合する出願が存在する場合は先の出願日を有する出願人に商標権を付与する旨の先願主義を採用しており、商標を使用する場合はできるだけ早く出願すべきである旨の日本商標法の原則的立場を踏まえておらず、一方的に小生及び当社を罪悪視する内容となっており、不当である。

           また、第三指摘のなかで「いったん拒絶理由を通知する場合がありますが、審査官が当該先願となる出願の却下を確認次第、登録査定を行います」旨の取扱いは、日本商標法における審査実務上必ずしも好ましいものではない。即ち、出願から査定までの審査期間の短縮化を図るためには、先願の却下を確認することなく登録査定すべきである。その上で、後願の登録査定後に先願が登録される場合は、当該後願登録に関する登録異議申立や登録無効審判で処理するべきである。さらに、この第三指摘を前提にして第四指摘において「当該先願となる出願の却下を確認次第、登録査定を行う旨を、拒絶理由通知に明示的に記載するよう、運用を変更します。」旨の運用変更は、審査期間の短縮化の観点からよくない。上述した如く、審査期間の短縮化を図るためには、先願の却下を確認することなく登録査定すべきであるから上記旨を拒絶理由通知に記載することは時間の無駄であり、かかる記載はすべきではない。従って、結局のところ、現行商標法を前提にすると、一部の出願人の出願に関し類型的に手数料不払いの瑕疵が存在するならば、後願の実体審査においては審査官の裁量により、当該一部の出願人の出願を先願と考えず即ち現行商標法第15条の3を適用せず、原則通り先願先登録商標に後願排除効を与える現行商標法第4条第1項第11号に該当しないとして(他の登録要件を具備する限り)後願の登録査定をする運用にすれば事足りるのではないか、と思う。従って、上記運用変更は、この運用に再変更されるべきである。

           尚、一部出願人による多出願の問題解決は、上記一部出願人の罪悪視や審査実務の見直し等のみでなされるのではなく、上記審査実務の見直し等に加え、商標審査官・商標審判官の大幅増員及びそのための商標関係者の給与水準のアップ等の人事や組織の見直し並びに上記した産業財産権の権利処理システムの確立等の総合的観点からの解決が好ましいことは論を待たないところである。この点は、上記「4.産業財産権の権利処理システムに関する制度設計方針の在り方」及び「5.世界のなかの日本における大特許庁構想及び業界改革」においても上記産業財産権の権利処理システムの確立や組織改革や人事改革の必要性に触れている。

           従って、当社の上記PPAP商標出願に係る商標が公序良俗に反することはない。当社においては、この結論は、各指定商品(指定役務)毎に異なることはない。

        15. ⑧上記論点(3)⑧について
        16.  平成28年10月5日に当社が出願した商標出願(国際分類第9,16,28、35,39、41,42,45類:計8区分)(以下、「当社第一出願」ともいう。)に含まれる指定商品(指定役務)については、最終的に当社が商標権を取得しうる。

           平成28年10月14日にエイベックス株式会社が出願した商標出願(国際分類第3,9,14、16,18,20,21,24,25,26,28,30,32,43類:計14区分)(以下、「エイベックス出願」ともいう。)のうち当社第一出願に含まれる指定商品(指定役務)と同一又は類似する指定商品(指定役務)については、最終的にエイベックス株式会社は商標権を取得できない。現時点において上記エイベックス出願は商標登録査定がなされ商標権が発生しているが、後日、エイベックス出願のうち当社第一出願に含まれる指定商品(指定役務)と同一又は類似する指定商品(指定役務)については、登録無効審決がなされうる。逆に、類似しないそれ以外の指定商品(指定役務)については、最終的にエイベックス株式会社が商標権(以下、「エイベックス商標権」ともいう。)を取得しうる。

           平成28年11月15日に当社が出願した商標出願(国際分類第15、38類:計2区分)(以下、「当社第二出願」ともいう。)及び平成28年11月28日に当社が出願した商標出願(国際分類第1~45類:計45区分)のうち上記エイベックス商標権に含まれる指定商品(指定役務)と同一又は類似する指定商品(指定役務)を除く指定商品(指定役務)については、最終的に当社が商標権を取得しうる。

        17. ⑨上記論点(3)⑨について
        18.  海外において、商標「PPAP」が周知になっているか否かは、属地主義及び商標独立の原則に基づき各国・地域の商標管轄官庁や裁判所が自国法に基づき判断することであるが、上記日本における商標PPAPの周知事情が参酌されることもありうる。

        19. ⑩上記論点(3)⑩について
        20.  海外において、商標「PPAP」が商標登録可能か否かは、属地主義及び商標独立の原則に基づき各国・地域の商標管轄官庁や裁判所が自国法に基づき判断することであるが、上記日本における商標PPAPの周知事情が参酌されることもありうる。当社とエイベックス株式会社が競合する場合は、上記⑦において述べた国内の権利化状況と略同様に権利化されていくと思うが、現時点では、上記の如く、マカオにおいて商標出願(国際分類第9,15、16,28、35,38、39、41,42,45類:計10区分)(上記当社第一出願及び当社第二出願の複数優先権を主張)について商標権付与の通知がなされている。

    17. 13.平成29年(2017年)1月末頃のいわゆる商標PPAPバッシングについて
      1. (1)商標PPAPバッシングを受けて
      2.  

         平成29年(2017年)1月末頃、ピコ太郎さんやエイベックス株式会社とは無関係である当社が商標PPAPを出願したことに関し、当社代表の上田育弘に対し、「商標PPAPを強奪した」「他人のふんどしで相撲をとろうとしている」等の理由で多くの放送メディアに取り上げられました。いきなり何らの予告も連絡もなく、午前中、図書館に向かっていつもの商店街を歩いている最中に、突然、複数の放送メディアから取材を受け、この取材内容が数時間後には、全国ネットでテレビ放映されるという小生にとりましても生まれて初めての経験をしました。放送メディアの即時性には驚かされるとともに自己の発言内容が日本国内のテレビやインターネットで伝えられることに一種の快感を覚えたことも事実です。

         

         しかし、当時の放送メディアで伝えられた内容は、小生がピコ太郎さんのPPAPを盗んだということのみがクローズアップされ、スクープ狙いの興味本位で伝えられ、冒頭1(1)に記載の当社の公的な目的である「産業財産権の権利処理システムの確立」やこの「産業財産権の権利処理システムの確立」に関する上記2乃至10に記載の知的財産に関する小生の考えが全く伝えられなかったと感じております。本来、放送メディアは、中立的な姿勢で多方面からの見方を伝えるべきであり、当時、渦中の小生の真の目的であるこの「産業財産権の権利処理システムの確立」や上記2乃至10に記載の知的財産に関する小生の考えが伝えられなかったことは、放送メディアによる放送としては、やや不十分であると思っております。

      3. (2)放送メディアの皆様へ、「PPAP商標強奪犯:上田育弘の人民公開裁判」(仮称)の放映のお願い
      4.  そこで、小生からの希望又はお願いですが、当社の公的な目的である「産業財産権の権利処理システムの確立」を明確にすることを主眼に商標PPAP等を具体例として出しつつ、上記1~12の記載内容を小生の言葉で語るための記者会見の場をセットしていただけないでしょうか。時間配分として全3時間(小生からの発表:90分、質疑応答:90分)又は全2時間(小生からの発表:60分、質疑応答:60分)ぐらいでいかがでしょうか。タイトルとしては、例えば「PPAP商標出願人:ベストライセンス(株)の真の狙い」とか、又はやや過激なタイトルとして「PPAP商標強奪犯:上田育弘の人民公開裁判」ぐらいでも構わないと思っております。もし可能であれば、パワーポイントが使用できるノートパソコン及びこのノートパソコンとつながったプロジェクター並びにハンドレスマイク等をご用意していただければ、より効率的な発表ができるように思います。もちろん、当社及び小生からの出費は一切無し(ゼロ)という条件でお願いいたします。何卒ご検討下さるよう宜しくお願いいたします。

    18. 14.添付資料(証拠資料及び関連資料)
    1. (1)平成14年5月28日付の「「特許情報オンラインサービス協議会」設立のご報告」と題する書面(全文PDFファイル)
    2. (2)2002年12月2日付の特許情報オンラインサービス協議会の和田裕会長から太田特許庁長官へ宛てた書面(全文PDFファイル)
    3. (3)平成12年4月5日付12特総第804号「パトリス料金改定について」(全文PDFファイル)
    4. (4)昭和62年3月20日付「特許庁保有のデータベース等に係る著作権の使用許可要領(62特総第318号)」(全文PDFファイル)
    5. (5)平成4年12月25日付「CD―ROM公報販売に伴う特許庁保有の著作権の使用許可要領(4特総第1992号)」(全文PDFファイル)
    6. (6)平成7年7月3日付「商標情報データベースの一括販売に伴う特許庁保有の著作権の使用許可要領(7特総第260号)」(全文PDFファイル)
    7. (7)平成10年3月26日付「特許庁データ販売事業の許可要領(10特総第313号)」(全文PDFファイル)
    8. (8)平成11年12月10日付「公報の紙媒体発行に要する特許庁保有の公報データの使用許可要領(11特総第1849号)」(全文PDFファイル)
    9. (9)平成12年2月付「平成10年3月までに発行されたCD-ROM公報データの利用条件の変更について」(全文PDFファイル)
    10. (10)平成12年11月30日財団法人日本特許情報機構(JAPIO)理事会議事録(全文PDFファイル)
    11. (11)平成27年2月27日付「特許庁データ販売事業の許可要領(10特総第313号)」廃止(20150220特許2)(全文PDFファイル)
    12. (12)平成27年3月1日付「公報の媒体発行に要する特許庁保有の公報データの使用許可要領(20150220特許7)」(全文PDFファイル)
    13. (13)上田育弘著「これからの工業所有権情報提供システムを考えるーIT革命が進展する21世紀において、「いつでも」「誰でも」「どこでも」「無料」で工業所有権情報を入手できるシステムを築き上げていくー」パテント第54巻第2号43頁乃至56頁弁理士会発行(平成13年2月10日)(全文PDFファイル)
    14. (14)上田育弘著「特許電子図書館(IPDL)の機能のあり方に関する研究」<2D5>平成22年6月日本知財学会発表用CD(全文PDFファイル)

    以上

    2018年(平成30年)2月6日上田育弘・発行

    2018年(平成30年)3月26日改訂

    本件論文の全文のPDFファイルは「全文PDFファイル」をクリックして下さい。